エレクトロニック・プロデューサーからシンガーソングラターへと転じてアコースティック~R&B~ダウンテンポなどジャンルにとらわれない変幻自在なリリースで独自のポジションを築き上げてきたドイツの異能アーティスト、リコ・フリーベ。その最新作は即興的なピアノ・インストをメインとした、これまで以上にセンシティヴなセンスが際立つスペシャル・アルバム!リコ・フリーベは北ドイツのキール出身、重鎮Sven Vathが主宰するCocoonレーベルからも作品を出すなど2000年代からミニマルなエレクトロニック・シーンの中心で活躍してきた敏腕プロデューサーでしたが、ここ数年で突如シンガーソングライターへと転身しうたもの作品のリリースをスタート。そのユニークなキャリアとジャンルの垣根をまたいだ広角スタイルによりジワジワと唯一無二の立ち位置を確立しつつある。キングス・オヴ・コンヴィニエンス的なアコースティック、ウェッサイなビートで固めたハードなR&B、幽玄なダウンテンポなどなど、これまでも作品ごとにさまざまな作風を披露してきた。今回は即興的なピアノ・インストゥルメンタルを一発録りでアルバム化、また新たな領域を切り開いている。清流のせせらぎが聞こえてきそうな先行シングルの「Envoute」、解放的なメロディが軽やかに舞う「Gruides」、未知の桃源郷を描き上げた「Elysees」ほか、心が洗われるようなピアノの調べがくつろぎやメディテーション気分をそっと後押し。シンプルな佇まい、滋味深さ、パーソナルな内向きのベクトル、独特の距離感や風通しの良さ、ゴンザレスやモッキーあたりとも共振しそうな不思議なムードを持った快心の一枚。
発売・販売元 提供資料(2025/04/15)
ドイツのシンガーソングライターが一発録りで作り上げたピアノ・インストゥルメンタル作品。エフェクトを最小限に抑え、音の強弱やピアノの響きを前面に出したプロダクションは非常にシンプル。反復するフレーズが徐々に変化しながら起伏を生み出していく様は、フィリップ・グラスといったミニマル・ミュージックを彷彿させる。優美なメロディーも印象的だ。
bounce (C)近藤真弥
タワーレコード(vol.499(2025年6月25日発行号)掲載)