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| フォーマット | 書籍 |
| 発売日 | 2025年05月26日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| 出版社 | ミネルヴァ書房 |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| SKU | 9784623098804 |
| ページ数 | 320 |
| 判型 | A5 |
構成数 : 1枚
序 章 「破壊」と「創造」の理論と実践
第I部 福沢諭吉の思想・理論形成
第1章 身分秩序の解体を目指して――幕末体験・維新史観・朝鮮近代化
一 福沢諭吉における明治維新への眼差し
二 「体験」――幕末期の思想・活動と文明開化
三 「史観」――日本史における明治維新
四 「連鎖」――朝鮮近代化の支援と挫折
五 福沢における「明治維新」
第2章 天皇への権威・権力集中批判――「神政府」からの脱却
一 「皇学者流」批判と民衆教化
二 『文明諭之概略』における「神政府」の批判
三 「神政府」批判の背景
四 『帝室諭』との関連
第3章 政治と精神の近代化――ジョン・S・ミル『代議制統治論』から
一 『代議制統治諭』と福沢の出会い
二 既存研究における指摘
三 『代議制統治諭』と福沢諭吉
四 議会制度論との関連
第4章 「瘠我慢」の保存と人脈の形成――西郷隆盛と勝海舟との関係をめぐって
一 幕末期の福沢諭吉
二 福沢諭吉と勝海舟の対立
三 共通の人脈
四 『丁丑公論』と『亡友帖』
第5章 伝染病研究の支援と世論の嚮導――後藤新平との協力
一 後藤新平の福沢諭吉評
二 伝染病研究所移転問題をめぐる福沢の対応
三 長谷川泰の演説
四 後藤の態度と福沢宛後藤書簡案
五 後藤の福沢論
第II部 門下生たちへの期待と実践
第6章 慶應義塾に学んだ殿様たち――廃藩置県後の新たな人生に向かって
一 慶應義塾の華族たち
二 入社の背景
三 義塾在籍中の旧藩主
四 旧藩主門下生の略歴
五 その後の旧藩主と福沢
第7章 旧福岡藩主家当主・黒田長成の教育実践
一 黒田長成の慶應義塾幼稚舎入学
二 藩校「修猷館」の復活と黒田家の支援
三 黒田奨学会
四 福岡への関心と絆
五 報古会と旧臣の再編成
第8章 旧長岡藩主家当主・牧野忠篤の実業実践
一 牧野忠篤の生涯と研究上の課題
二 慶應義塾での修学過程
三 長岡市長としての政治活動
四 中央・地方における実業活動
五 教育事業と忠篤の治績
第9章 旧掛川藩主・太田資美の寄附と外国人教師採用
一 カロザスとグードマン
二 太田資美の寄附
三 慶應義塾でのカロザス
四 カロザスの退職
第10章 旧延岡藩主家家老・原時行への期待
一 原時行の生涯と亮天社
二 原宛福沢書簡
三 「原家旧蔵資料」
第11章 池田成彬のハーバード大学留学とアメリカ理解
一 慶應義塾からの派遣留学
二 池田の回顧録に見るハーバード大学留学
三 父の日記に見る留学生活
四 ハーバード大学所蔵史料から
五 帰国後の活動とアメリカ観の展開
終 章 福沢と門下生が遺したもの
あとがき
人名索引
事項索引
福沢諭吉は、江戸時代までの身分秩序を破壊しながら明治時代以降の新秩序を創造しようとした思想家である。福沢が目指したのは西洋の政治・ 経済・教育・道徳思想に基づく近代国家の創造であったが、同時に旧秩序において歴史的に構築されてきたものをも積極的に生かそうとした。特に武士たちが保持してきた「瘠我慢」の精神や公共精神は欠かすことのできない要素であった。本書は、こうした福沢の思想や理論の構築と展開の過程を踏まえた上で、大名華族をはじめとする門下生たちがいかなる社会的実践を試みたのかを紹介し、日本近代化の思想的起源と実践の過程を描写していく。

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