リゲティ(1923-2006)の協奏曲集!
イザベル・ファウストの完璧無比かつ圧倒的音楽的なソロ
ヌーブルジェの変拍子も楽勝のソロ
ロト&レ・シエクルの管弦楽の音色が冴える!!
リゲティの協奏曲集の登場。ソリストはヴァイオリンの女王イザベル・ファウスト、そしてピアノは若くからコンセルヴァトワールの教授としても才覚を発揮しているジャン=フレデリック・ヌーブルジェ。指揮は近現代の作品にも独特の才覚と才気煥発さが化学反応的に爆発するロト、そして管弦楽はピリオド楽器のレ・シエクルという、これはもう考えうる限り最高にスリリングなリゲティ録音の登場といえるでしょう。リゲティというと猟奇的な部分が強調されがちですが、ここではコミカルな表情や軽やかなアンサンブル、天上のような透明美など、聴きどころ満載で、とっつきにくさは皆無。驚くほどに豊かな音楽が響き渡ります。クルタークの弦楽四重奏作品も収録しており、こちらも秀演です。
ヴァイオリン協奏曲では、とにかくファウストの豊かな歌と完璧無比な技巧が圧巻。そしてレ・シエクルの精鋭達が奏でる変幻自在の音色がファウストにこたえて全開の活躍です。リゲティが盛り込んだ「奇妙」でほとんど非現実的なハーモニー(時にはゆがんだハーモニー)、中世のホケトゥスからバロックの組曲、さらにカリブ海やアフリカ、東アジアの音楽の要素が、非常に音楽的に、そして鮮明に響きわたります。
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HARMONIA MUNDI
発売・販売元 提供資料(2025/04/24)
ジャン=フレデリック・ヌーブルジェは近年カデンツァを書くなどピアノにとどまらぬ才能で活躍しておりますが、ここでは変拍子の独特のリズムも楽々とした表情、時にしゃれたジャズ、時にはオーケストラとの決闘など、変幻自在の表情を見せております。リゲティが「万華鏡の粒子」と呼んだ第4楽章も、硬質な音色と圧倒的なリズム感覚で、解像度抜群。ロトの指揮は才気煥発、機敏さに満ちており、ソロとの複雑なアンサンブルや対決、複雑なリズムもなんのそので音符の一つ一つが生き生きとしています。
ルーマニア協奏曲は、1951年に完成した、間奏なしで演奏される4つの短い楽章の作品。共産主義体制下の戦後ハンガリーの美学を反映しています。そのエレガントなスタイルとシンプルさ、時に民俗的なエネルギーが炸裂する箇所など様々な面があり、新鮮さは今なお魅力的です。リゲティ(1923年生まれ)とクルターク(1926年生まれ)が初めて会ったのは1945年ブダペストでのことでした。当時のブダペストでは、ユダヤ人の半数以上が排除され、食料と住居が非常に不足しているという大変厳しい時代でしたが、「ナチス時代の辛い経験にもかかわらず、私たちは二人とも若々しい情熱に満ち、近代的なハンガリー文化への希望に満ちていた」とリゲティは回想しています。クルタークの「遠くから」は、不在、痛み、距離、こわれた時計を思わせるような動き、常に何かに中断されるような感覚に満ちた作品です。
とにかく全体を通して音色のパレットが豊か、天上のような美しく透明な響き。怪奇現象的な面もありつつ、音楽的な面が際立たされており、それでいてコミカルさや激しさなど様々な面も保たれています。作品が要求する技術的難しさを超越したところにいる選ばれたメンバーにしかなしえない、素晴らしい演奏です。
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HARMONIA MUNDI
発売・販売元 提供資料(2025/04/24)
Gyorgy Ligeti is often grouped in with other composers who decided they cared if you listen and shifted beginning in the 1980s to more accessible styles that often reincorporated aspects of tonality, but the narrative doesnt work so well for him. For one thing, his most popular piece remains the electronically altered Aventures, used in the film 2001: A Space Odyssey, direct from his High Modern Period. For another, the shift in his style that took place in the 1980s, although large, isnt quite the ground-shifting change in plans it is often made out to be. This 2025 release, featuring violinist Isabelle Faust on his Violin Concerto of 1993 and Jean-Frederic Neuburger on his 1988 Piano Concerto, is beautifully done, and it illustrates the issues involved. Both works, although lyrical and in part tonal, have the glassy calm that characterized Ligeti all the way through, even in the difficult, faster movements. Or, one might say, especially in the faster movements, for they pose substantial technical difficulties; these are expertly handled by Faust and Neuburger. Just as interesting is the early Concert romanesc, released by Ligeti later in life. It is not a concerto but an orchestral piece. The faster movements clearly take Bartok as a basis, but even here, Ligeti offers the somewhat mysterious abstract quality that became one of his trademarks, and the orchestra Les Siecles under conductor Francois-Xavier Roth gets the requisite smoothness. This may emerge as a major Ligeti release, and it is enjoyable for anyone. The album made classical best-seller lists in the spring of 2025. ~ James Manheim
Rovi