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| フォーマット | 書籍 |
| 発売日 | 2025年04月14日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| 出版社 | 文学通信 |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| SKU | 9784867660850 |
| ページ数 | 376 |
| 判型 | A5 |
構成数 : 1枚
口絵(小城鍋島文庫の逸品・小城鍋島文庫の蔵書印)
小城鍋島家略系図
まえがき─書物は多くを語ってくれる (中尾友香梨)
二代目までに作られた蔵書の基礎/蔵書はいかにまとまったか/書物は自ら語ってくれる/本書の構成
I 直能、小城の文雅を創る
1 桜岡三部作(一)─『八重一重』 (中尾友香梨)
直能の奥書と歌/豪華な創作陣/「八重一重」という書名/木下順庵の「桜岡記」の成立背景
2 桜岡三部作(二)─『八重一重』 (中尾友香梨)
堂上歌人の『桜岡懐紙集』/『弘文荘待賈古書目』に掲載された『桜岡懐紙集』/後西院の懐紙/後水尾法皇の懐紙/親王門跡の働き/勝仙院の取次/親王門跡と院家のネットワーク/直能と晃玄/良純法親王の娘との婚姻
3 桜岡三部作(三)─『八重一重』 (中尾友香梨)
「桜岡景境詩」の依頼/林鵞峰の詩、成る/「桜岡景境詩」巻、成る/「岡花」和歌の序跋、成る
4 鍋島直能と堂上歌壇─『新拾葉集』 (日高愛子)
『新拾葉集』の成立/雅章の和歌門人として/後水尾院・後西院の和歌
5 支藩の藩主、本藩の世子─『不忘集』 (中尾健一郎)
文人大名・鍋島直能/不忘集序/詩歌を寄せた人々/『不忘集』の構成/直能と綱茂
II 藩主家の文芸サロンと小城文壇
6 薄幸の若様を守り立てて─鍋島直嵩覚書 (白石良夫)
夭折の歌人/明和九年の小城藩歌合/直嵩の判詞と小城歌壇/直嵩判『岡花百首歌合』/冷泉為村添削『続田心和歌集』『直嵩公御詠草』/直嵩家集『叢桂館御詠』
7 鍋島直嵩の和歌習練─『為範卿御筆歌書』 (日高愛子)
『邦輔親王御詠』の転写/『拾遺愚草』『雪玉集』の類句索引/『名所和歌』の伝来
8 静明院の和歌とその周辺─『松の志都久』 (日高愛子)
静明院の遺草集/静明院とその周辺/正親町公明の和歌指導
9 俗書と小城藩の知識人たち─『近代公実厳秘録』 (中尾健一郎)
鍋島直嵩の『近代公実厳秘録』/岩松相延という人物
III 『和学知辺草』を深掘りする
10 埋もれていた和学入門書─『和学知辺草』 (中尾友香梨)
和学の手引き書/寛政という時代/著者の幽林舎散人/京なまり/物を別名で呼ぶこと/田舎言葉にこそ古語は残る
11 自己主張する後光明天皇─『和学知辺草』補注一 (白石良夫)
後陽成天皇・朝山意林庵・後光明天皇─認識の混同/和学を嫌う後光明天皇の逸話/朱子学を好む異色の天皇/ちょっとやりすぎか─禁中並公家諸法度に抵触する言動/天皇暗殺説の流布
12 『先代旧事本紀大成経』偽作者異聞─『和学知辺草』補注二 (中尾健一郎)
『大成経』の偽作問題/潮音道海/長野采女/一色長左衛門
13 徂徠学評判記─『和学知辺草』抜書 (白石良夫)
徂徠学派との距離(巻下第四十七段)/儒者の偏見(巻上第八段)/徂徠の門人たち(巻下第四十八段)/すでに徂徠学は時代遅れであった(巻下第四十五段)
IV 当文庫のユニークな面々
14 一枚の付箋の行方─『三翁和歌永言集』 (進藤康子)
書誌/内容と構成/作者の背景─高門の事跡を中心に/中院通茂門下として/一枚の付箋の行方
15 古典文庫解説卑見─『十帖源氏』の刊・印・修 (白石良夫)
奥歯にものの挟まった物言い/ビッグネームに恐れをなすわけではない/ブランドがかけたバイ...
どう昔の書物と向き合うのか。
その実践と方法をあますところなく伝える書。
小城鍋島文庫(おぎなべしまぶんこ)研究会が結成され十二年。文庫の悉皆調査を行ってきたメンバーたちは、どのように蔵書を見てきたのか。
メンバーが文庫調査で出会った書物と向き合って、書物の語る声に耳を傾け、文庫の本をかたる書。
小城鍋島文庫とは肥前小城藩の藩主家と藩校の蔵書であり、現在、佐賀大学附属図書館に蔵される。本書はこの世界を語り尽くす。
第I部には、小城鍋島文庫の基礎を築いた二代藩主直能に関する文章を収録。第II部は、文庫を形作った直嵩・直愈兄第が催した藩主家の文芸サロンとその周辺のことに関する文章を収録。小城歌壇または小城文壇と称すべきものがこの時期に形成されていたことが窺えるものだ。第III部は、文庫の蔵書のひとつである『和学知辺草』に関する文章を。第IV部には、文庫を構成するユニークな面々にスポットライトをあてる。文庫の蔵書の「モノ」としての側面に重きを置き、その個性をクローズアップさせている。第V部は逆に、和漢・雅俗の多彩な蔵書の「作品」としての側面と「享受」に重きを置き、文学史のなかで読み解いてある。
幅広い読者層を想定して作り、古典籍からの引用には現代語訳や大意を付すなど、初学者への配慮も行き届いた書。蔵書印をカラーで掲載するほか、重要情報満載でお届けする。執筆は、中尾 友香梨、白石 良夫、進藤 康子、大久保 順子、土屋 育子、中尾 健一郎、日高 愛子、村上 義明、二宮 愛理、脇山 真衣。
【書物は、「モノ」としての側面と「作品」としての側面を持ち合わせている。古典籍においては、この二つの側面のいずれもが、重要な情報である。しかし書物の価値は、この二つの側面だけで決まるものではない。もうひとつ重要な要素は「享受」である。書物を正しく理解するためには、この三者のいずれにも気を配る必要がある。それが、表現を変えれば、書物と向き合って、書物の語る声に耳を傾けるということになろう。書物は自ら多くを語ってくれる。われわれがその声に耳を傾ける用意さえできていれば。】「まえがき」より

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