販売価格
販売中
お取り寄せお取り寄せの商品となります
入荷の見込みがないことが確認された場合や、ご注文後40日前後を経過しても入荷がない場合は、取り寄せ手配を終了し、この商品をキャンセルとさせていただきます。
構成数 : 1
【書評】
「結核・非結核性抗酸菌症診療に確かな道標を示す実践書」
感染症領域において,結核および非結核性抗酸菌症はともに長期的なマネジメントと高い専門性を要する重要な疾患である.罹患率の動向や診療環境の変化,治療選択肢の複雑化などにより,両疾患を取り巻く臨床の実情はこの10年で大きく変化してきた.そうしたなか,第一線の診療において求められるのは,教科書的な知識だけでなく,現場で直面する具体的な課題に対する実践的な対応策である.
結核については,長年の公衆衛生的取り組みにより罹患率の低下が続いており,2021年には人口10万人あたりの罹患率が10を下回り,日本は世界保健機関(WHO)の定義する「低蔓延国」となった.その一方で,診療体制の集約化が進んだ結果,結核を日常的に診療する医療者の数は減少しており,若手世代を中心に対応に不安を覚えるケースも少なくない.さらに,患者の高齢化や,人口動態の変化に伴う外国出生者における結核の増加など,新たな課題も出現している.診療経験の継承や専門性の維持は喫緊の課題といえる.
一方,非結核性抗酸菌症は異なる方向性で注目を集めている.罹患率は増加を続けており,とくに高齢者や免疫抑制状態にある患者,生物学的製剤の使用患者の増加と相まって,難治化する症例も増えている.2023年には日本結核・非結核性抗酸菌症学会より「成人肺非結核性抗酸菌症化学療法に関する見解」が発表され,診療の均てん化に向けた一助となったが,依然として診療判断は複雑であり,高い専門的知識と経験を要する状況が続いている.
こうした背景のもと刊行された本書は,まさに時宜を得た内容といえる.本書は,2014年に初版が刊行されて以降,臨床現場で高く評価されてきたQ & A形式を踏襲しつつ,最新のエビデンスを反映して大幅に内容を刷新している.
本書の最大の特長は,ガイドラインでは網羅しきれないような日常診療の疑問点,たとえば「結核患者に対する院内感染対策」「合併症を有する症例への対応」「薬剤の選択や変更」などについて,専門家が豊富な臨床経験と最新の知見に基づいて,平易かつ実践的に解説している点にある.単なる理論の解説に留まらず,読者が「今,目の前の患者にどう向き合うか」を考えるうえで非常に有用な指針が多数示されている.
本書は,呼吸器内科,感染症専門医はもちろん,一般内科,総合診療科,さらには地域医療を担うプライマリケア医にとっても役立つ構成となっており,結核や非結核性抗酸菌症に関わるすべての医療者に推薦できる内容である.専門性の高さと,読者のレベルに応じた読みやすさの両立という点でも,バランスの取れた編集がなされている点は特筆に値する.
本書は,変化と複雑性を増す抗酸菌診療の現場において,明日からの臨床に確かな道標を与えてくれる一冊である.
臨床雑誌内科137巻1号(2026年1月号)より転載
評者●迎 寛(長崎大学病院呼吸器内科(第二内科) 教授)
【「改訂第2版」序文】
日本における結核の罹患率は10を切り,低蔓延国の水準を達成しています.この成果は喜ばしい一方で,結核の診療および研究に従事する人材が減少しつつある現状も見過ごせません.いまだに結核は新型コロナウイルス感染症と比較しても致命率が高く,いまだ解.<...
"結核・非結核性抗酸菌症診療"にまつわる疑問・質問に対して専門家が丁寧で分かりやすく回答・解説した,日本結核・非結核性抗酸菌症学会編集書籍の改訂版.昨今のNTM症の増加を背景としてNTMに関する疑問を大幅に追加・充実させた.興味のある疑問・質問から読み進められる構成で,診療に直結する実践的な知識が身につく.Q&A形式と豊富な図表,平易な解説文で,医師だけでなく医療スタッフにもおすすめの一冊.
【「改訂第2版」序文】
日本における結核の罹患率は10を切り,低蔓延国の水準を達成しています.この成果は喜ばしい一方で,結核の診療および研究に従事する人材が減少しつつある現状も見過ごせません.いまだに結核は新型コロナウイルス感染症と比較しても致命率が高く,いまだ解決すべき課題が多い重要な疾患です.
また,非結核性抗酸菌症(NTM症)は近年注目を集めている疾患ですが,その診断法や治療法は十分に確立されておらず,多くの課題が残されています.さらに,これらの疾患は生物学的製剤やJAK阻害薬など免疫抑制薬の使用に影響を与えることから,現代医療においてますます重要な位置づけとなっています.
本書「結核・非結核性抗酸菌症診療Q&A(改訂第2版)」は,第一線で診療に携わる医療従事者から寄せられた疑問や,既存のガイドラインでは十分にカバーされていない問題点を取り上げ,それらに対する回答を専門家が最新のエビデンスと臨床経験をもとに提供しています.
本書が日々の診療現場で役立つことを願うとともに,若い医療従事者がこれらの疾患に興味を持ち,診療や研究に積極的に参画していただけることを心から期待しています.結核および非結核性抗酸菌症は未解明な部分が多く残された分野であり,新たな診断法や治療法の開発につながる契機となることを願っています.
2025年4月
責任編集者
松本 智成
| フォーマット | 書籍 |
| 発売日 | 2025年06月09日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| 出版社 | 南江堂 |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| SKU | 9784524218561 |
| ページ数 | 202 |
| 判型 | A5 |

※ショッピングカートおよび注文内容の確認画面にてフラゲのお届けになるかご確認ください。
※各種前払い決済をご利用の場合、フラゲは保証しておりません。
※フラゲは配送日時指定なしでご注文いただいた場合に限ります。
読み込み中にエラーが発生しました。
画面をリロードして、再読み込みしてください。
