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| フォーマット | 書籍 |
| 発売日 | 2025年04月22日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| 出版社 | 南江堂 |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| SKU | 9784524210831 |
| ページ数 | 672 |
| 判型 | B6変形 |
構成数 : 1枚
【書評】
「抗悪性腫瘍薬で学ぶ臨床薬理学のエッセンス」
近年,がん薬物療法の治療成績が向上するなかで,最適な治療を提供するために臨床薬理学の重要性はますます高まっている.臨床薬理学とは,薬物の作用機序,薬物動態や薬力学,そのほかの特性に関する科学的根拠に基づき,薬物療法をより合理的かつ効果的に行うための理論と方法を探究する学問である.たとえば,各薬剤の薬物動態(Absorption, Distribution, Metabolism, Excretion:ADME)や薬力学を理解することで,高齢者や腎機能障害など特別な背景をもつ患者への対応が可能となり,薬物相互作用も正確に把握できるようになる.ゲノム薬理学に精通すれば,分子標的治療薬の選択や,患者間における薬物応答の違いを科学的に捉えることができる.耐性機序に関する知識は,薬剤変更時の判断材料として有用である.日常診療で出会う患者の多くは教科書どおりにはいかないが,そうした場面においても臨床薬理学は科学的なアプローチの道筋を示してくれる.
本書は,こうした臨床薬理学のエッセンスを凝縮した,実践的かつ教育的価値の高い一冊である.総論では,がん薬物療法の基本的な考え方から始まり,薬物動態,薬力学,薬理ゲノム学,さらには高齢者や臓器障害時の対応など,特定の臓器や疾患にとらわれない臓器横断的な視点から明快に解説している.各論では,各抗悪性腫瘍薬の作用機序や耐性機序,薬物動態,特別な患者集団(special population)への配慮,薬物相互作用など,臨床に直結する有用な情報が簡潔かつ的確に整理されている.研究段階の情報であっても,専門家の見解を交えながら果敢に取り入れており,添付文書やインタビューフォームの情報を単に寄せ集めたものではなく,臨床現場で活きる知見として再構成されている点は特筆に値する.序文に記された「添付文書やインタビューフォームには基本的に事実のみが記載されているが,その書き方が誤解を招きかねないこともある」という指摘は,がん薬物療法の臨床に携わる者にとって深く共感できるものであり,本書を単なるリファレンスに留めないという編者および著者らの矜持が伝わってくる.
なお,序文には「普段の診療で気軽に利用していただきたいので,白衣のポケットに入るサイズ」と紹介されている.たしかに,診療の合間に参照できるコンパクトさは本書の魅力の一つである.一方で,その内容は非常に充実しており,時間をかけてじっくりと読み込むという使い方も十分に価値がある.がん薬物療法における臨床薬理学の本当の価値にぜひ気づいて欲しい.
本書は,がん薬物療法に携わる医師・薬剤師はもちろん,臨床薬理学の視点で抗悪性腫瘍薬を体系的に学びたい若手医療者にとって最良の書である.実践に活かすための確かな道標として,広く推薦したい.
臨床雑誌内科136巻6号(2025年12月号)より転載
評者●安藤雄一(名古屋大学医学部附属病院化学療法部 教授)
【序文】
抗悪性腫瘍薬の開発は目覚ましく,毎年多くの薬剤が承認されており,そのほとんどは分子標的治療薬である.2010年に発刊された本書の初版は54剤で構成され,そのうち殺細胞性抗がん薬が42剤を占めていた.その後に分子標的治療薬の開発が進み,2017年に改訂された第2版では殺細胞性抗がん薬は9剤増えただけだったが,小分子化合物およ...
主な抗悪性腫瘍薬の適応・副作用,作用機序・耐性機序,投与スケジュールのほか,各薬剤の臨床薬理学的特徴と,それに基づく使用上のノウハウまでをコンパクトかつ明快に解説.さらに各がん種における代表的なレジメンも掲載.今版では分子標的治療薬が94剤と前版から2倍以上に増えたほか,新たに内分泌療法薬18剤を加え,現在のがん薬物療法でカバーすべき薬剤を網羅.抗悪性腫瘍薬を使いこなすための知識を凝縮した一冊.

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