ECMによるソロ・ピアノ音楽の先駆的な記録は、1970年代初頭のジャンルを変える試みのひとつであるが、1971年4月にオスロのベンディクセン・スタジオでチック・コリアを捉えたこの美しい録音による本セッションも、この新たな展開の始まりとなった代表的作品。
本作品は長い間、名盤の地位を獲得している作品で。「Sometime Ago」には、チックが1年後に最初のバンド「リターン・トゥ・フォーエヴァー」で再度紹介することになったもの、豊かなメロディとラテン調の音楽を予感させるものが含まれているが、ここに収録されている曲のほとんどは、単に空から引っ張ってきたものである。コリアは、リアルタイムで完全に形成された作曲を形作る不思議な能力を持っていたのだ。コリアは 「この時期は、私にとって強烈な発見の時期だった。ピアノ・インプロヴィゼーションのレコーディングは、スタジオで自然に行われた。思いついたアイデアをそのまま演奏し、後でタイトルをつけた。これは当時の私にとって新しい創作方法だった。結果がどうなるかはわからなかったけど、何が起こるか試してみる喜びに浸っていた......」とコメント。
マンフレート・アイヒャーがプロデュースした録音からは、その喜びが伝わってくる。
チックの演奏者ノートと、ニール・テッサーによる歴史的文脈における音楽の影響について考察した文章が添えられたゲートフォールド・スリーヴ仕様。
〈パーソネル〉Chick Corea (p)
発売・販売元 提供資料(2025/03/10)
After spending a year with the avant-garde quartet Circle, Chick Corea's desire to communicate to a wider audience led to him deciding to break up the unit. His first post-Circle recordings were two LPs of piano solos. Vol. 1 features six of his originals including the eight sketches of "Where Are You Now?," and the debut of the future standard "Sometime Ago." These performances are sometimes a bit precious, but they succeed in being acccessible and serve as a transition between Circle and Return to Forever. ~ Scott Yanow
Rovi