1人が2人になり、闇はサーモン色の美しさとなり、悲しみは抑えきれない喜びに変わる・・・。ボン・イヴェール、5枚目のアルバム『セイブル、フェイブル』、リリース。
Justin Vernonはページをめくり、Bon Iverの次の章、エピローグを始める。
Jagjaguwarからリリースされる『SABLE, fABLE』は、このプロジェクトにとって6年ぶりのアルバムであり、瑞々しく輝くポップ・ミュージックにのせたラヴストーリーが収録される。昨年秋にリリースされた3曲入りのEP『SABLE,』EPから始まるこのアルバムは、1人が2人になり、闇はサーモン色の美しさとなり、悲しみは抑えきれない喜びに変わる9曲からなる新たなサガ(物語)へと、シームレスに展開していく。『SABLE,』が、長い間過去を決定づけていた痛みとの決別という希薄で孤独なものであったのに対し、『fABLE』は、パートナー、新しい思い出、おそらくは家族といった、光と目的と可能性に満ちた活気ある未来を見つめている。
リリースに先駆けて、Bon Iverは今年のバレンタインデーに「Everything Is Peaceful Love」で正式に『fABLE』時代に突入する。このシングルは、HBOの『How To with John Wilson』の映像作家、John Wilsonが撮影/編集したミュージック・ビデオとともにリリースされる。Justin VernonとJim-E Stackによってプロデュースされた『SABLE, fABLE』は、主にウィスコンシン州にあるVernonのApril Baseでレコーディングされた。 (1/2)
発売・販売元 提供資料(2025/02/21)
このアルバムのコンセプトは、2.22.22(2022年2月2日)にStackがDanielle Haimを連れてApril Baseに到着したときに生まれた。雪に覆われた数日間、VernonとHaimの声は「If Only I Could Wait」で交錯した。このデュエットは、「新しい愛の輝きの外では、自分自身の最高のバージョンになる強さを持っていない」という重要な視点を持ったデュエット曲である。
もし『SABLE,』がプロローグなら、『fABLE』は本である。しかし、ひとつになった『SABLE, fABLE』はアルバムであり、おとぎ話ではない。夢中になること、そしてそれがこれらの曲にもたらす強烈な明晰さ、集中力、正直さ、祝福には、紛れもない癒しがあるのかもしれない。「Everything Is Peaceful Love」は、恋に落ちる相手に出会って幸福感に打ちひしがれる男の肖像である。しかし、『SABLE,』の影はまだ迫っており、リセットして再出発しようと努力しても、古い感情が戻ってくることがある。寓話のように、各トラックは教訓を植え付ける。『fABLE』は、他者や恋人と関わるときに必要とされる無私のリズム、つまり、より良くなるためのペースを見つけるための忍耐強いコミットメント、そして一体感について歌っている。『i,i』や『22, A Million』でJustin Vernonの声を守っていた、回避的で濃密な音の層はもうない。『SABLE, fABLE』は、真実を剥き出しにしたキャンバスなのだ。 (2/2)
発売・販売元 提供資料(2025/02/21)
1人が2人になり、闇はサーモン色の美しさとなり、悲しみは抑えきれない喜びに変わる・・・。ボン・イヴェール、5枚目のアルバム『セイブル、フェイブル』、リリース。 (C)RS
JMD(2025/02/20)
ジャスティン・ヴァーノンとしてはビッグ・レッド・マシーンの2作目があり、グレイシー・エイブラムスからトラヴィス・スコットまで多彩ななアーティスト絡みの露出もあったものの、ボン・イヴェールとしてのアルバムは実に6年ぶり。昨秋のEP『SABLE,』の孤独感を起点に希望を帯びた世界の広がりがシームレスに描かれる。新たな活気と生命力に溢れた素晴らしい一枚だ。
bounce (C)香椎恵
タワーレコード(vol.497(2025年4月25日発行号)掲載)
アメリカのフォーク・バンド、〈ボン・イヴェール〉の6年ぶりのアルバムがついに発売される。ソロ・アーティストとして活躍するジャスティン・ヴァーノンのバンド名義のソロ・プロジェクトとして知られる〈ボン・イヴェール〉。本作は先日発売された3曲入りのEP「SABLE,」の延長線上にある音楽で、「SABLE, fABLE」と題され「漆黒」の後に「寓話」が追加され、新しい物語に展開していく内容となっている。収録曲は全12曲。沈痛で否定的な音が徐々に平穏と光を取り戻すようだ。10曲目のDanielle Haimの参加した《If Only I Could Wait》が美しい。
intoxicate (C)荻原慎介
タワーレコード(vol.175(2025年4月20日発行号)掲載)