ヘンデルの主要作品を中心に、18世紀イギリスの歌劇作品を数多く録音しているクリスティアン・カーニンとアーリー・オペラ・カンパニーが、18世紀イギリスの作曲家モーリス・グリーンのオラトリオ「ジェフサ(イェフタ)」を世界初録音!
牧師の子として生まれたモーリス・グリーンは、幼い頃よりセント・ポール大聖堂の聖歌隊員として音楽を学び、やがて同大聖堂のオルガニストに就任。その後、チャペル・ロイヤルのオルガニスト兼作曲家、ケンブリッジ大学の音楽教授にも就き、最終的には、王室音楽師範(Master of the King's Music)にもなったイギリス音楽史上の重要な作曲家です。
グリーンが1737年に作曲した「ジェフサ」は、ヘンデルが隆盛させたジャンルである英語によるオラトリオにおいて、イギリス出身の作曲家としての初の成功作となりました。旧約聖書の士師記のエフタの物語に基づくオラトリオで、台本は、詩人であり、やがて英国国教会で重要な役職に就くことになるジョン・ホードリーが担当、旧約聖書のエフタの物語にほぼ忠実なストーリーとなっています。これは、新たな登場人物を加え、話が大きく改変されたヘンデルの同名のオラトリオ(グリーンの作品から約15年後の1751年に作曲)とは対照的です。色彩的なオーケストラ、変化に富んだ合唱、英語の語感が活かされた、感情を強く揺り動かす劇的なアリアや二重唱は、グリーンのすばらしい才能を示しています。
18世紀イギリスの劇作品を現代に復活させる重要な上演・録音を行ってきたクリスティアン・カーニンとアーリー・オペラ・カンパニーが、サイモン・ラトル、ダニエル・ハーディング、イヴァン・フィッシャーらと世界中のコンサートホール、歌劇場で共演し、ベルリン・フィルにも何度も登場するイギリス人テノール歌手アンドルー・ステイプルズをジェフサに、ヘンデルなどバロック・オペラやオラトリオの分野で目覚ましい活躍を示しているイギリス人ソプラノ、メアリー・ベヴァンをジェフサの娘に迎えた、充実の布陣による演奏です。現代でも取り上げられることの少ないモーリス・グリーンの作品の貴重な録音となるだけでなく、18世紀のイギリス人の作曲家の再評価につながる内容でしょう。ヘンデルの陰に隠れてきた音楽の復活にご期待ください。
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発売・販売元 提供資料(2025/03/17)
あらすじ
【第一幕】
第一場
偉大なる指導者の死後、主なる神を捨て偶像崇拝をしていたギレアドの民は、神から見放され、アンモン人に虐げられていた。自分たちの行いを深く反省し、再び神に庇護を求めたギレアドの長老たちは、非嫡子を理由に追放させられていた勇士ジェフサにアンモン人たちと戦ってほしいと懇願する。
第二場
長老たちの懇願にもかかわらず、最初ジェフサはその懇願を拒絶した。長老たちがなんとか説得しようと試みるも、神を見捨て、偶像崇拝を行ってきた自分たちの行いを非難されるばかりであった。しかし度重なる説得の末、長老たちの回心と神への忠誠を確信するに至ったジェフサは、ついにその願いを聞き入れた。長老たちはアンモン人たちに対する勝利を確信し、早くも祝杯を挙げる。一方、ジェフサは、アンモン人に勝利し、凱旋した暁には、最初に出迎えたものを神に捧げると誓う。
【第二幕】
第一場
血で血を洗う激しい戦闘の末、アンモン人を破ったジェフサの帰還を、ギレアドの民は大いに祝った。彼の家では、ジェフサの娘とその仲間たちがジェフサの凱旋帰還の喜ばしい知らせに湧き上がっていた。
第二場
両手をいっぱいに広げてこちらに駆け寄ってくる娘の姿を見て、ジェフサはすぐに自らの神への誓いを思い出した。すぐに視線をそらしたが、すでに遅かった。
父親の態度が急変したことで娘は不安になり、その顔に刻まれた恐怖の表情をいぶかしく思った。恐ろしい予感にとらわれた娘は、父親に説明を促す。ジェフサは神に誓いを捧げたことだけを説明することしかできず、その犠牲となるのが娘だとは伝えられなかった。父親の悲しみの種が自分にあると悟った娘は、故郷を離れようとする。苦悩のあまり、身動きさえできなくなっていた父親から、娘はついに真実を聞き出す。
ギレアドの長老たちはこの理不尽な事態に全能なる神への怒りをあらわにする。
ジェフサは、勝利を得るために行った神への誓いに苦悩し、子供を生贄にするという事態を避けるため、自らが身代わりになろうとする。最後まで美徳を貫く娘は、父親を思いとどまらせる。そして、子を産むこともなく死を迎えることを嘆くために、最後に山で一人で過ごしたいと頼む。娘の固い決意を受け入れた父親は娘と最後の別れを告げる。
ギレアドの人々はジェフサの娘に敬意を示し、以後、イスラエルの娘たちはジェフサの娘を思い、毎年四日間、その悲劇的な死を嘆く歌を歌うこととなった事が合唱で歌われ、幕を閉じる。
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The famous Handel oratorios seem to have sprung into existence fully formed; Handel wrote Messiah (1741) in just 24 days. But of course, they didnt. Handel wrote several little-known pieces in the 1730s before dropping the genre for several years, and he was friends with Maurice Greene, the first native-born English composer to write one. Jephtha, from 1737, was his most substantial work in the genre, and Handel may well have known it. Handel later wrote his own oratorio on the theme of the Book of Judges figure who made the ill-judged pledge to sacrifice the first person to come through the door of his house in exchange for the aid of God in defeating the Ammonites. Of course, this turns out to be his daughter, who here is just called Jephthas daughter; in Handels version, she gets a name (Iphis). Jephtha, in fact, is the only named character, and the proceedings seem to lack dramatic zip. This said, the two-act oratorio is highly listenable, and enough parts have a Handelian quality that one wonders about the degree of influence on Handel (he and Greene were friends). Listen to the big chorus at the end of the first act. The arias are colorful, if a bit more compact than Handels, and there are fine instrumental effects given that Greene wasnt really known as a composer of vocal music. The singers are strong here, including Andrew Staples as Jephtha and Mary Bevan as his nameless daughter; the Early Opera Company under conductor Christian Curnyn is straightforward and probably wise not to hang too much dramatic heft onto the material. The chorus, at 16 singers, is just right. This little-known work is sure to please Handelians of all kinds, and the recording made classical best-seller charts in the spring of 2025. ~ James Manheim
Rovi