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雨を操る 森林保護思想の変遷から読み解く気候安定化への道

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フォーマット 書籍
発売日 2025年05月12日
国内/輸入 国内
出版社築地書館
構成数 1
パッケージ仕様 -
SKU 9784806716822
ページ数 288
判型 46

構成数 : 1枚

序 章 森林の気候調節説の忘れられた歴史
モーリシャス島の原生林
100年早すぎた改革
森林・気候・降雨量
先史時代から現代までの気候調節説
近世の気候調節説
フンボルトの南米探検

第1章 新世界の名誉救済
森林伐採で気候を手懐ける
啓蒙主義の自然観──楽観主義から悲観主義まで
アメリカ大陸の状況報告
アメリカ大陸の名誉挽回──大型動物の存在証明

第2章 気候変動が悪になった時代
森林伐採をめぐるイメージの転換
森林と湖の水位の関係
気候変動に対して高まる懸念と成長の限界
マルサスの人口論の影響

第3章 気候変動の防止策-イギリス領インドの場合
森林保護区の誕生
インド赴任の旅
インド国営林の管理制度──生みの苦しみ
インドの林業と森林管理制度の発展
世界へ広がる国営林制度

第4章 森林の気候調節説アメリカで否定される
ルーズベルトの森林保護政策
科学的解明の取り組み
気象学と気候学の登場
雨をめぐる科学論争
政府の諮問委員会が森林の気候調節説を否定

第5章 世界の砂漠化を防ぐ
火星の運河の謎
砂漠はどこにでも
サハラ砂漠
カラハリ砂漠
サヘルをめぐる闘い
緑の予言者

第6章 潰えた砂漠緑化の夢
大干ばつと農民の願い
近代的実証科学の出現と水循環の概念
大規模実験と需要思考への転換──地上の水文学
森は水を増やすか、減らすか?
降雨と蒸発の関係という難題──上空の気象学
ベルゲン学派の気象モデル
雨はどのように生じるのか?
人工降雨実験
湖にまつわる都市伝説

第7章 見直された森林と降雨のつながり
1970年代以後の水文・気象・気候学
数理モデルと熱帯雨林
森林増雨機構の見直し
森林伐採と気候──地域から地球規模へと広がる懸念
森林の気候調節説の復活──科学と政策に及ぼす影響
歴史学者と科学者の協力

結 び 気候変動史を読み解く

謝辞
訳者あとがき
参考文献
原注
索引

  1. 1.[書籍]

森林はいかにして降雨をもたらし、循環させるのか?
3世紀に及ぶ森林と気候変動の科学史

地球温暖化に関する議論が始まるはるか以前から、人々は森林の重要性に気づいていた。

近世初頭の気候に関する思想史、ヨーロッパの科学界に
「森林破壊で降雨量が激減する」という考えが広まった経緯、
農民や地主を苦しめた帝国主義時代インドの林業改革、
森林と降雨をめぐる議論で引き起こされた政治的対立、
気候を人工的に制御する気候工学の出現、
雨水の循環における森林の重要性が軽視されるようになった時代、
そして水分子の測定技術向上によって森林が再評価されるようになった現代の科学界――。

国家・市民・科学者それぞれの立場から
時に支持され時に否定されてきた森林の気候寄与説と、
その復活の軌跡を余すところなく描く。

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