| フォーマット | 書籍 |
| 発売日 | 2025年02月26日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| 出版社 | 文化資源社 |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| SKU | 9784910714097 |
| ページ数 | 392 |
| 判型 | B6 |
構成数 : 1枚
徳田秋聲探究 目 次
I 金沢という地霊
秋聲伝の古層㈠ 父徳田雲平の第二妻女と白山神社神主建部貢
秋聲伝の古層㈡ 父徳田千之助(雲平)筆「先祖由緒一類附帳」より
秋聲の叔父たちのこと/秋聲母方津田家のこと
II 『縮図』の諸相
『縮図』論序説―銀座から白山へ―
『縮図』の行方―軍靴と三絃―
『縮図』の周辺㈠―ある〝新聞切抜き本〟
『縮図』の周辺㈡―ある〝新聞切抜き本〟について再び
III 日露戦争・関東大震災・学芸自由同盟
秋聲と日露戦争―「春の月」から「おち栗」へ―
秋聲と関東大震災―「フアイヤ・ガン」試論―爆弾と消火器―
秋聲と学芸自由同盟のことなど―久米正雄宛郵便物から―
IV 通俗小説への意欲
『心と心』―『あらくれ』の陰画―
ーもう一人の養女の物語ー
『誘惑』の試み―通俗小説に聊か新紀元を―
【資料紹介】「「二つの道」の劇化」原稿
『闇の花』という問題作―芸術を民衆の前に―
V 全集・原稿・代作・出版
『徳田秋聲全集』完結
草稿・原稿研究―秋聲と〈代作問題〉
国民文庫刊行会・玄黄社の鶴田久作と秋聲
フィロソフィーとボディ―漱石の『あらくれ』評をめぐって
徳田一穂の〝日和下駄〟―秋聲の影と同行二人の東京歩き―
【資料紹介】秋聲「日本文学報国会・小説部会長就任挨拶」原稿
あとがき
菊池寛賞を授賞した八木書店版『徳田秋聲全集』の編集委員を務めた著者による新しい知見に満ちた秋聲論集。
本書の魅力のひとつは、作品の中にさまざまな疑問を見つけて作品構造や執筆モチーフを解明したことにある。たとえば
・墓石に記された未詳の義母と最後の愛人:小林政子とが繫がる細い因縁とは?
・名作『縮図』の冒頭が何故銀座資生堂パーラーから始まるのか?
・著者の入手した稀覯的『縮図』新聞切抜き本の作製者は誰か?
・閑却されて来た秋聲の通俗小説論を本格的に論述。秋聲の目指した通俗小説の改革とは?
・秋聲と栃木県今市というトポスの所縁は? 作品への反映は?
また、秋聲と日露戦争作品、閑却されて来た掌編「おち栗」から戦争小説の意義を初めて詳述。秋聲代作説に関しては、代作と自ら認めた一中編作品の原稿を徹底調査、すべて秋聲自筆で推敲の跡も残る原稿を検討、代作問題の複雑さと近代文学における作家のオリジナリティの関係を論ずる。その他、円本刊行以前に予約出版・大量広告を行なった国民文庫刊行会・玄黄社社長鶴田久作と秋聲の関係を明らかにするなど、今まで誰も触れなかった数々の文献を元に新たな秋聲像を探究。
近代文学研究者はもとより、新しい秋聲推しの読者にお薦めの一冊。

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