クリーン・ヴォーカルという新たな武器を手に地獄から生還する。ジャーマン・メタルコアを牽引するCALIBAN(キャリバン)の15作目『Back From Hell』
ドイツのメタルコア界を代表する存在として20年以上に渡り君臨してきたCALIBAN(キャリバン)。最新作『Back From Hell』でも、バンドのシグネチャー・サウンドである激情的なヴォーカル、重心低く粉塵を巻き上げながら、パワフルに突進していくスタイルは健在だ。CALIBANは本質には忠実でありながら、変化することを厭わないバンドである。今作からも進化と変化を感じ取ることができる。今作最大のポイントは、長きにわたり在籍していたMarco Schallerに代わって新ベーシストIain Duncanの加入だ。Andreasとは異なる彼のクリーン・ヴォーカルは、パワフルでダイナミックなバンドのサウンドに新鮮なフィーリングをもたらし、CALIBANが新たなチャプターへと向かう強い推進力となっている。
作品は、(1)「Resurgence(Intro)」の荘厳なるイントロから幕を開ける。そして、恐ろしい爆発力を持つ(2)「Guilt Trip」に激情のバトンが繋がれた瞬間、CALIBANファンたちの拳が天空へと突き上がること必至だ。ミドルテンポの(3)「I Was a Happy Kid Once」、タイトルトラック曲の(4)「Back From Hell」、(5)「Insomnia」では、Iainの味わい深いヴォーカルが楽曲を引き立て、奥行きを生み出している。メロディックなラインから、怒涛のブレイクダウンに突入する驚異的な完成度を誇る(8)「Overdrive」、緩急のバランスを巧みに操る名曲(10)「Glass Cage」など個々の楽曲の高いクオリティに加えて、客演を迎えた楽曲も秀逸だ。MENTAL CRUELTYのLukas Nicolaiが叫び倒す(2)「Guilt Trip」、(4)「Back From Hell」ではTHE BROWNINGを、さらにFIT FOR AN AUTOPSYのJoe Badが加わった作品屈指のヘヴィな(6)「Dear Suffering」まで聴きどころ満載の内容である。
『Back From Hell(地獄からの生還)』は、己の内なる闘いと回復、カタルシスといったテーマを探求し、彼らの特徴である破壊的なリフ、激情のヴォーカル、力強いメロディーを現代的プロダクションに落とし込んでいる。CALIBANはこれまでで最も野心的な作品を届けてくれた。CALIBANのレガシーはまだまだ終わることはない。
◆エアフレッシュナー封入
発売・販売元 提供資料(2025/04/04)