アル・ジャロウ、ジーン・ハリス、デイヴィッド・T・ウォーカーなど、さまざまなジャズ・ミュージシャンがスライの楽曲をカヴァーし、R&B界では、アイク&ティナ・ターナーの"I Want To Take You Higher"など、スライの楽曲を自身のキャリアを後押しするために頻繁に使用するアーティストが数多くいました。
イギー・ポップ、マガジン、ジェフ・バックリィなどのアーティストによる、珍しく、そして魅力的なカヴァーもあります。ボビー・フリーマンのソウルフルなワルツ"Friends"からレインコートの80年代のアングラな"Runnin'Away"、そしてエリック・ベネイのモダン・ソウル・ヴァージョンの"If You Want Me To Stay"まで、スライの音楽はあらゆるジャンルに影響を与えました。
『Everybody Is A Star』には、スライ関連のレア曲もいくつか収録されています。6IX、The Magnificent Men、ダイアナ・ロス、ジョー・ヒックスによる、滅多に聴くことのできないスライの作曲楽曲も収録されています。ファミリー・ストーンはアップタウンのレア曲"Man Does Not Live"で参加しています。アレック・パラオによる詳細な注釈付きの『Everybody Is A Star』は、驚異的で予測不可能で唯一無二なスライ・ストーンの作品の愛好家にとって欠かせない1枚です。
発売・販売元 提供資料(2025/02/06)
クエストラヴが監督するドキュメンタリー映画も楽しみななか、スライ・ストーンの楽曲を集めた新たなコンピが登場。90年代からスライのアーカイヴ集を編纂してきたアレック・パラオのコンパイル仕事とあって凄いお宝を期待してしまったが、今回はスライのオータム~ストーン・フラワーにおけるプロデュース仕事とスライ曲のカヴァーを並べることで、純粋に彼のソングライターとしての魅力を浮き彫りにするという趣向となっている。イギー・ポップやレインコーツ、エリック・ベネイ、アイク&ティナらの著名なヴァージョンのほか、もちろん入手困難な音源もあるので当然チェックしておきたいところです。
bounce (C)狛犬
タワーレコード(vol.496(2025年3月25日発行号)掲載)