<ミュージシャンズ・ミュージシャン>-この称号で呼ばれることはどんなミュージシャンにとっても至上の喜びを感じるに違いない。そしてそれはミュージシャンとして<ヴァーチュオーゾ>、もしくは<マエストロ>、つまり<巨匠>と呼ばれる域に達したからである。アラン・ホールズワースもそんな<巨匠>の域に達した数少ないミュージシャンであり、ギタリストの一人である。そんな彼の数々のアルバムをハイブリッドSACDでリリース!
前作から2年経過した2001年、突如リリースされた本作はアラン・ホールズワースのHP上での通販のみの流通であったため入手困難な作品で、ファンは勿論、音楽誌上でも賛否両論となる。というのも2曲にデイヴ・カーペンター(b)が参加している以外全てアランの<シンタックス(SynthAxe)>による多重録音で制作されたものであったからである。アルバム・タイトル『フラット・タイア(原題:Flat Tire (Music For A Non-Existent Movie) )』は離婚により別れた妻に没収されたスタジオを借用するにあたって、レコーディング作業以外の使用を認めてもらえず休む時は床にマットをひいて寝ていたという悲しい状況から名づけられたが、サブ・タイトルは極めて興味深い。"存在しない映画のためのサウンドトラック"と題されたこの作品は、これまでのアルバムとはまったく異なる内容の作品に仕上げられている。
オープニングから4曲目までは正にヴァンゲリスやエリック・セラといったアーティストのサントラを思わせる曲風である。5曲目はそんな曲調から中間部より一転してパーカッシヴなリズム・パターンをバックに管楽器のような音色で激しいソロを聴かせ、正に様々な展開のある映画の1シーンを連想させる。実際、アルバム・リリース時のインタビューで「一度はサントラを作ってみたかったけど依頼がなかったのでこんなアルバムを作ってみた」と語っており、このアルバムはアランにとっても次なる作品へのブリッジとなるものだったのかもしれない。
本作リリース後、バンドとしてソフト・ワークス名義で1枚、プロジェクトとしてライヴ・アルバムに参加・制作したのみであったが、2011年には最新作のレコーディングに取り掛かったと所属マネージメント&レーベルから発表があり、誰もが久々の新作の登場を待ち望んだ。クラウドファンディングを通して資金を確保し、そのプロローグとなる新曲「アース」を2016年7月に発表。そして引き続きコンサート・ツアーの合間を縫って新作の制作を行うが、2017年4月15日に急逝しアルバムがリリースされることはなかった..
輸入盤国内仕様<ライナーノーツ付>
アラン・ホールズワース (g)
デイヴ・カーペンター (b) *Track3, 8
発売・販売元 提供資料(2025/01/17)