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入門腫瘍内科学(改訂第4版)

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フォーマット 書籍
発売日 2025年03月06日
国内/輸入 国内
出版社南江堂
構成数 1
パッケージ仕様 -
SKU 9784524210756
ページ数 344
判型 B5

構成数 : 1枚

【書評】
「これからがん診療に携わる医学生・若手医師のための,腫瘍内科学の理解を深めるための入門教科書」
本書は,日本臨床腫瘍学会により編纂された,がん診療に関わる医学生・研修医を主な読者対象とした教科書である.本書は,「腫瘍内科学」という専門領域に初めて触れる学習者にとって最良の導入書となるべく企画され,2009 年のがん診療体制の転換期に初版が発行された.近年では,がん薬物療法の進歩,分子標的治療や免疫チェックポ
イント阻害薬の登場,がんゲノム医療の実用化といった劇的な変化を受け,内容が大幅にアップデートされており,最新の改訂第4 版もその流れを反映したものである.

腫瘍内科は,がん患者に対して薬物療法を中心とした全身治療を担う診療科であり,近年その専門性と重要性が飛躍的に増している.しかし,その一方で,医学部のカリキュラムにおける腫瘍内科の教育は依然として限られており,学生や初期研修医が臨床現場で戸惑うケースも少なくない.本書は,そうした現場のニーズに応える形で,がんの基礎知識から治療の実際に至るまでを網羅的かつ平易に解説し,学習者が"腫瘍内科的思考"を身につけるための橋渡しとなることを目的としている.

構成は総論と各論からなり,総論では「がん」の基本的な概念,疫学,発生,診断,治療などが丁寧に解説されている.これにより,がんを臓器別疾患としてではなく,全身性疾患として捉える視点が養われる.各論では,臓器別腫瘍や随伴症状,緊急時対応について,がん患者をみる際の臨床現場で必要な知識を臓器横断的に学ぶことができる.各項目について,重要な知識がコンパクトに解説されていて,医学生・研修医の実践的理解
に資する内容が豊富に盛り込まれている.

本書のもう一つの魅力は,医学生や研修医が容易に理解できるように,全体を通じて視覚的に理解しやすい構成となっている点である.図表や模式図に加え,要点を明確に示した「キーポイント」がまとめられている.臨床実習の合間や国家試験対策にも使いやすく,学習効率の高い一冊といえる.読者の理解度をあげるために,工夫して執筆・編集された執筆ならびに編集委員の先生方に敬意を表する.

総じて,『入門腫瘍内科学』は,がん診療に関心をもつすべての医学生・研修医にとっての必携の書であり,腫瘍内科学の扉を開く第一歩として最適な教科書である.将来的にがん診療に携わるか否かを問わず,現代医学を学ぶうえで「がん」を正しく理解することは必須であり,本書はそのためのたしかな羅針盤となる.

臨床雑誌内科136巻3号(2025年9月増大号)より転載
評者●砂川 優(聖マリアンナ医科大学 臨床腫瘍学講座 教授)


【改訂第4版 序文】
『入門腫瘍内科学』は,医学部で卒前専門教育を受ける医学生のためのテキストとして,2009 年10 月に初版が刊行されました.本書は,がん医療の基本書として,医学生のみならず,研修医,薬剤師や看護師など,多くの医療者にも広く利用されてきました.初版刊行から6 年後の2015 年に改訂第2 版を,さらに5 年後の2020 年には改訂第3 版を出版いたしました.そして今回,さらに5 年の時を経て,最新の医学的知見を反映した改訂第4 版をお届けする運びとなりました.

この5 年間,がんの臨床医学は急速な進展を遂げて.,...

  1. 1.[書籍]

日本臨床腫瘍学会編集による,医学部生を主対象とした臨床腫瘍学の入門書の改訂第4版.各項の冒頭には要旨がわかる「summary」,末尾には「この項のキーポイント」を掲載し,理解しやすい構成が特徴.腫瘍学における基礎医学から診断・治療の総論,疾患各論までを網羅し,医学部生に必要な知識をわかりやすくまとめた.今改訂では同学会のテキスト『新臨床腫瘍学』の改訂内容を反映し,最新の内容を解説した.

【改訂第4版 序文】 *抜粋・改編
『入門腫瘍内科学』は,医学部で卒前専門教育を受ける医学生のためのテキストとして,2009 年10 月に初版が刊行されました.そして今回,最新の医学的知見を反映した改訂第4 版をお届けする運びとなりました.

この間,がんの臨床医学は急速な進展を遂げてきました.分子標的治療,個別化治療,ゲノム医療,免疫チェックポイント阻害薬の進化に加え,ウイルス療法,CAR-T 細胞療法,抗体薬物複合体(ADC)療法,光免疫療法といった新たな治療法が登場し,臨床の現場での応用が広がっています.また,高齢者に特化した治療方針の確立や,小児・AYA 世代がん患者の長期フォローアップの重要性も,より強く認識されるようになりました.さらに,ロボット支援手術や粒子線治療などの先端的な外科療法および放射線療法の進歩,支持医療や緩和ケアの充実も大きな注目を集めています.さらには,COVID-19 パンデミックといった新たな課題も浮上しています.

これらの状況を踏まえ,改訂第4 版では各項目で増補改訂が行われました.新設項目として,「総論5-6- E.新規治療」「総論5-8.高齢者の治療」「総論5-12.小児・AYA 世代のフォローアップ」を加え,「総論5-9.がんサポーティブケア(支持医療)」に「Onco-Cardiology」や「妊孕性」を含めました.一方,「各論3. 胸部腫瘍」と「各論11.造血器腫瘍」については,項目立てを整理し,若干簡素化しました.その他,コラムとして「総論5」に「感染症(COVID-19)とがん治療」を追加しました.

本書は,学生の教科書として利用されることを目的としているため,より基礎的でわかりやすい入門書となるよう編集されています.各がんの概念,疫学,病理や臨床像,診断についての内容を充実させた一方で,複雑な病態や詳細な治療については言及していない場合もあります.本書のみで十分でない点については,『新臨床腫瘍学』(日本臨床腫瘍学会編集)をはじめとする専門的な教科書などを参考にしていただくことをお勧めします.

今後も,本書を腫瘍内科学入門のための教科書として,より一層よいものにしていきたいと考えております.ご意見などを南江堂ホームページよりお寄せいただけましたら幸いです.

2024 年11 月
『入門腫瘍内科学(改訂第4 版)』編集委員長
木下一郎

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