構成数 : 1
【書評】
「リウマチ専門医のみならず膠原病を診療する総合内科医の必携書」
一昔前まで原因不明の難病といわれた膠原病も,現在では病態の解明が進み治療の著しい進歩がある.今や膠原病の診療は決して専門医にのみ任されるべきものではなく,少なくともプライマリケアの段階では一般内科医や内科以外の専門医の介入が必要となる.しかし現実には,なお膠原病は難解であるというイメージが強く,依然として非専門医からは敬遠されがちである.このために適切に診断されず長期間放置されていたり,ほとんど精査もなされず不適切な治療が施されたあげくに専門施設へ紹介されることが時としてみられてきた.この原因として,発症病態に複雑な免疫異常が絡むこと,全身のさまざまな臓器を障害するため専門分化が進んだ個々の医学領域ではカバーしきれないこと,グルココルチコイド(ステロイド)や免疫抑制薬使用の十分な経験がないこと,などがあげられる.しかし,近年は関節リウマチの分子標的療法の成功に端を発し,ほかの多くの膠原病でもエビデンスレベルの高い新たな治療法が開発・導入され,診療ガイドラインが整備
されるようになって,膠原病の初期診療は専門医のみならず,非専門医といえども避けてはとおれない時代となった.
本書は2022 年に刊行された「関節リウマチ治療実践バイブル(改訂第2 版)」の姉妹誌である.本書では多彩な膠原病疾患について,総論として簡潔な膠原病の概念とともに,基本的診断アプローチと主要検査,最新の治療法と治療薬がまとめられており,さらに各論として種々の膠原病・リウマチ性疾患へのアプローチが詳しく解説されている.近年注目されるようになった自己炎症性疾患,IgG4 関連疾患やTAFRO 症候群が加わり,
小児膠原病も取り上げられている点も特記される.いずれも最新の知見が加えられて教科書的知識に留まらない臨床に即した内容が特徴であり,患者を目の前にしたときに,多彩な疾患・病態における基本的な考え方と,診断と治療をどのように進めるべきかを実践的に解説した内容となっている.
本書の編集に携わった慶應義塾大学医学部リウマチ・膠原病内科は,わが国におけるリウマチ膠原病診療の草分けとして最も長い歴史を有する.著者もわが国における膠原病・リウマチ性疾患の第一線の診療に携わる多数の専門家が名を連ねており,まさにオールジャパン体制の執筆陣となっている.
本書はリウマチ専門医のみならず,これから専門医を目指すリウマチ・膠原病内科の若手医師や,膠原病を診療する機会のある総合内科医にも「膠原病診療のバイブル」としてとくに推薦したい.
臨床雑誌内科136巻3号(2025年9月増大号)より転載
評者●三森経世(京都大学 名誉教授/たけだ膠原病リウマチクリニック 所長)
【序文】
本書は,姉妹書である『関節リウマチ治療実践バイブル(改訂第2 版)』(2022 年5月刊行)における,"日常診療に直接役立つことを念頭に置き,病態に加えて具体的な治療の実践法を解説する"という理念を膠原病全体に反映する形で,企画が開始された.
膠原病の診療は,多種多様な症状の問診,全身の診察から始まり,血液検査や画像検査の結果解釈および幅広い鑑別疾患を考慮しながら診断を行い,重症度を加味し,さらに各患者の,...
好評書『関節リウマチ治療実践バイブル』の膠原病診療版が登場! 本書では,多様な膠原病のメカニズムから,診断の進め方,各種治療薬の特徴・使⽤時の注意点までを整理したほか,各種膠原病に関して病態別に診断から治療・管理までの診療の実践を詳述.臨床写真を集めた充実の巻頭カラー口絵も収載.複雑でハードルが高いと思われがちな膠原病診療に携わる医師必携の⼀冊.
【序文】
本書は,姉妹書である『関節リウマチ治療実践バイブル(改訂第2 版)』(2022 年5月刊行)における,"日常診療に直接役立つことを念頭に置き,病態に加えて具体的な治療の実践法を解説する"という理念を膠原病全体に反映する形で,企画が開始された.
膠原病の診療は,多種多様な症状の問診,全身の診察から始まり,血液検査や画像検査の結果解釈および幅広い鑑別疾患を考慮しながら診断を行い,重症度を加味し,さらに各患者の多彩な社会的背景,医療制度といった情報を統合したうえで,治療を決定しなければならない.関節リウマチ診療における分子標的治療薬の導入・発展に牽引される形で,その他の膠原病についてもその理解が深まり,ガイドラインやリコメンデーションが次々と更新され,近年の本領域の目覚ましい進歩から治療選択肢も多岐にわたるようになっている.各々の膠原病患者に最も適切な治療を届けることが診療にあたる医師の使命であるが,本書ではそのハードルをできるだけ解消するべく,実践的な記載を意識した.疾患や治療の複雑さから,ともすれば患者のみならず医療者の悩みも深くなりうる本領域の診療において,本書は重要な役割を持つものと考えている.
各項の執筆は,本領域の最前線で診療にあたっておられる全国の専門家の先生方に依頼させていただいた.本書はその集大成として,初学者から専門医にまで役立ち,読み応えのある出来映えとなったと自負している.本書の編集は,それ自体が学びも多く,相当にやりがいのある作業であったが,診療や研究,教育に携わられお忙しいなかで,多大なご理解・ご協力をいただいた執筆者の先生方に心より感謝を申し上げたい.また,本企画を立案し,各種作業をご調整いただいた南江堂編集部の皆様にこの場をお借りして深謝したい.
最後に,本書が膠原病の診療に携わる医療者の皆様の手に取られ,一人でも多くの患者の診療向上に寄与することを願っている.
2025年1月
| フォーマット | 書籍 |
| 発売日 | 2025年02月03日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| 出版社 | 南江堂 |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| SKU | 9784524210039 |
| ページ数 | 424 |
| 判型 | B5 |

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