The Old Man and the Sea (Re-Recording)

『老人と海』(1958年 アメリカ映画 / 監督 ジョン・スタージェス / 音楽 ディミトリ・ティオムキン / 出演 スペンサー・トレイシー、フェリッペ・パゾス)

IntradaとVolta Musicは、1958年にアカデミー賞を受賞したディミトリ・ティオムキンの『老人と海』のスコアを新録音でお届けする。このアルバムは、リチャード・カウフマン指揮のもと、Intradaの常連であるロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団と録音された。『老人と海』は作曲家にとって絶好のチャンスだった。雰囲気にあふれ、台詞が著しく少ないこの映画では、「大きく考え」、人間対自然という映画のテーマを反映した広大な音楽キャンバスを創造できる作曲家が求められていた。1950年代半ば、ディミトリ・ティオムキンのようなスケールの大きな作品を日常的に作っていた映画作曲家は(いたとしても)ほとんどいなかった。
ティオムキンは、80分近い豊かなオーケストラ・アンダースコアを作曲した。印象派的な色彩とリズムでハウの撮影による青々とした海の風景や息をのむような夕日を映し出す部分、サンティアゴとカジキとの闘いのための大胆なドラマチックな合図、キューバを舞台にした映画のためにラテンアメリカのリズムを定期的に引用する部分、サンティアゴとマノリンの優しい関係を描く静かな安息の瞬間など、彼の音楽は幅広いムードを包含している。ヘミングウェイの物語にインスパイアされたティオムキンは、彼の言葉を借りれば 「コンサートのための交響詩のスタイルで」ドラマを支えるスコアを作り上げた。5つの主要テーマが、この巨大な編成を統一している。
Stephane Coedelによる豪華なジャケット・アートと、Frank K. DeWald、Warren M. Sherk、Patrick RussによるライナーノーツをフィーチャーしたこのCDには、全曲スコアと追加編曲を加えた約130分の音楽が収録されている。驚くべきことに、ディミトリ・ティオムキン自身の保存努力により、オリジナルのフルスコア原稿は70年近くも残っている。彼は、ロサンゼルスの南カリフォルニア大学シネマティック・アーツ・ライブラリーにあるディミトリ・ティオムキン・コレクションと、同じくUSCキャンパスにあるワーナー・ブラザース・アーカイブスにすべての楽譜を寄贈した。
『老人と海』は、アーネスト・ヘミングウェイの小説をジョン・スタージェス監督が映画化したもので、老齢のキューバ人漁師サンティアゴをスペンサー・トレイシーが演じている。長い間不運に見舞われ、苦悩していたサンティアゴは、自分を取り逃がしている巨大なカジキを釣り上げようと、孤独な漁に出る。数日間に及ぶ壮絶な戦いの末、彼は魚を釣り上げることに成功するが、帰路でサメから獲物を守ろうと奮闘し、新たな試練に直面する。この映画は、忍耐、人間の尊厳、人間と自然の闘いというテーマを探求している。スペンサー・トレイシーの演技は広く賞賛され、アカデミー賞にノミネートされた。