創造への妥協を許さない厳格な実践者、その名はアンブローズ・アキンムシーレ。
現代ジャズ・シーンにおける最高峰トランぺッターにして、コンポーザーとしても高い評価を受けるアーティストである彼が描き出した音楽的自画像「honey from a winter stone」。表現者、作曲家、そして最高峰トランぺッターとしてシーンに新たな刺激と思索をもたらすアルバムがここに完成した――。
現代ジャズ・シーンにおける最高峰トランぺッターにして、コンポーザーとしても高い評価を受けるアーティスト、アンブローズ・アキンムシーレ。サックス奏者のスティーヴ・コールマンにその才能を見いだされ、19歳の若さにしてコールマンのバンド、ファイブ・エレメンツに加入、2007年にはセロニアス・モンク国際ジャズ・コンペティションで優勝し、同年カーマイン・カルーソー国際ジャズ・トランペット・ソロ・コンペティションでも優勝、一躍ジャズ界の注目の的となった彼は、2010年に名門Blue Noteと契約をかわし、同レーベルより5枚のアルバムを発表、そのすべての作品でプレイヤーとして、そしてコンポーザーとしての才能に磨きをかけながら現ジャズ・シーンの最高峰トランぺッターとしてシーンに刺激を与え続けている。
NONESUCHへ移籍し、2023年12月に移籍第1弾となるアルバム『OWL SONG』を発表した彼が、新たな作品を2025年1月にリリースする。『honey from a winter stone』と名付けられた本作は、アキンムシーレ曰く"自画像"のような作品であり、また色々な意味において作曲家Julius Eastmanと彼のオーガニックな音楽のコンセプトへのオマージュでもあるという。本作にはグラミー賞にもノミネートされた即興音楽家、ヴォーカリスト/マルチ・インストゥルメンタリストのKoyaiをはじめ、ピアニストのSam Harris、シンセサイザーにChiquitamagic、ドラマーのJustin Brown、そしてMivos Quartetがフィーチャーされている。(1/2)
発売・販売元 提供資料(2024/12/06)
「このアルバムは私個人が直面した恐怖や葛藤、そして多くの黒人男性が耐えてきた、肌の色による差別や存在の抹殺、そして誰が自分たちのコミュニティの代弁者になるのか、またそれはいかなる理由によるものかという問題についての作品だ」彼は本作についてそう説明する。「さらに期待に応えられなかったり、押し付けられた期待を拒否することを選んだりしたときに何が起こるのかという、終わりのない交渉もある。これらは私が日々向き合っている複雑な問題なのだ」
「このアルバムを作ったとき、同じような葛藤に直面している人たちのことを考えた」彼はまたこうも続ける。「私は常に、あらゆるレベルで、さまざまなコミュニティーの中で果たすあらゆる役割において、自分が誰を代表しているのかを考えている。これはその役割の重さと、それに伴う責任を理解するについての作品でもある」
アルバムからのリードトラックとなるのは15分以上にもわたる長編、「muffled screams」た。
「これは臨死体験から生まれた曲だ、私はまだ息子を守るために行きたかったから生還したが。このパーソナルな物語を分かち合ったKokayiが即興的に歌詞を作ってくれた」
静から動、そしてまた静へ、アンビエントからエモーショナルへとドラマティックに移ろっていくこの曲についてアキンムシーレはそう語っている。
「これらのアイデアの中には、直接会話を必要としないものもあった」彼はさらに付け加える。「この経験は普遍的なものなので、言葉は必要なかった。Kokayiのアプローチは純粋な即興であり、どのパフォーマンスも確実に唯一無二なものとなっている。私は彼がラッパーだとは考えていない――彼自身がまさしく楽器なのだ。彼のリズムとの関わり方、コードと調和したラップは、毎回音楽にダイナミックさと深みをもたらしてくれる」
芸術の精神的かつ実用的な価値を主な動機とするアキンムシーレは、自分の音楽を取り巻く博識の壁を取り払いたいと考えている。彼は、コミュニティーの物語を語り、時代を記録し、基準を変えるような、豊かな質感の情緒的風景を創造することを目指している。黒人の発明と革新の系譜を受け継ぐことに全力を注ぐ一方で、彼は伝統に押し潰されることなく、伝統を尊重することに成功している。創造への妥協を許さない厳格な実践者であるのだ。(2/2)
発売・販売元 提供資料(2024/12/06)