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造血幹細胞移植の看護(改訂第3版)

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【書評】
造血細胞移植は,骨髄移植,臍帯血移植,ハプロ移植など多様な移植法の導入と支持療法の進歩により,著しい発展を遂げてきました.

これらの進歩は患者に大きな恩恵をもたらし,長期生存の可能性を拡大させました.一方で,移植看護には単なる延命の支援にとどまらず,移植後の生活を見据えた包括的な視点と実践力が求められています.治療の進歩はきわめて速く,医師を含め医療従事者が日々新たな知識を学び続けており,看護師においても継続的なアップデートが不可欠です.

本書は,国立病院機構熊本医療センターの移植チームが臨床で培ってきた知識と経験を基盤に,「看護師の看護師による看護師のための本」をコンセプトに執筆された改訂第3版です.若手から中堅看護師まで幅広い層を対象に,必要な情報に容易にアクセスできるよう項目が細分化され,実践に直結する内容となっています.

また,豊富な図表やカラー写真を用いて病態や症状の微細な変化を視覚的に理解できるよう工夫されており,学習効果が高いです.さらに,先輩看護師による具体的なアドバイスや看護上の留意点が随所に盛り込まれており,基礎知識から治療経過,実践的ケア,さらには社会復帰支援にいたるまで,多角的に学べる構成となっています.

本書を手元に置くことは,看護師自身の知識整理や後進指導,さらには患者教育にも役立ちます.移植医療を支える看護師にとって,患者が直面する身体的,心理的,社会的ならびに実存的側面の苦悩に寄り添い,支援するための実践的指針となる一冊として,自信をもって推薦します.

がん看護31巻1号(2026年1-2月号)より転載
評者●近藤 仁美(岐阜市民病院/がん化学療法看護認定看護師)


【改訂第3版の序】
本書『造血幹細胞移植の看護』は当院(国立病院機構熊本医療センター)で使用されている看護手順,資料,クリティカルパスなどをまとめた移植チーム看護マニュアルとして2004年に初版(編集:河野文夫・岡野千代美)が,そして,2014 年に第2 版(監修:河野文夫,編集:日髙道弘・高尾珠江)が出版された.諸先輩方によって受け継がれてきた本書を第3版として改訂させていただくこととなった.臨床の現場で活躍する看護師さんたちに20 年近くにわたって活用いただいたことに感謝しながら,移植の現状に合った内容にするため全体の構成を含めて大幅に刷新した.改訂に伴い同種移植の内容が増加したため,自家移植に関する記述は省かせていただいた.

この20 年間で移植の合併症による死亡率は大きく減少し,臍帯血や移植後シクロホスファミド(PTCY)を用いたハプロ移植が一般化することで,ドナーが得られない例がほとんどなくなった.移植年齢上限は70 歳代まで上昇し,以前はあきらめるしかなかった患者さんに対しても,移植という生きる権利を提供できるようになった.一方で,長期生存者が増加して命だけでなく長期的な生活の質(QOL)まで考えた移植が求められている.また,患者年齢,ドナー選択肢,前処置,移植片対宿主病(GVHD)予防,感染管理が多様化したことにより,医師や看護師として把握すべき情報が増加し日々学ぶべきことが尽きない.

移植に関連した出版物の多くは医師による医師のための本である.本書は「看護師の看護師による看護師のための本」をコンセプトに,ほ.1...

  1. 1.[書籍]

造血幹細胞移植を学びたい看護師の最初の一冊としても,中堅看護師の基礎固めにも最適な,移植看護が"わかる・できる"ための必携書.
最新の情報を網羅し,診断,治療,退院後のフォローアップまでを時系列で追いながら,患者に提供する移植医療・ケアをていねいに解説.
随所に掲載の対話形式コラム「移植看護あるある」で,入門者が抱きがちな疑問の解決に向けた知識やノウハウをわかりやすく解説した.

【改訂第3版の序】
本書『造血幹細胞移植の看護』は当院(国立病院機構熊本医療センター)で使用されている看護手順,資料,クリティカルパスなどをまとめた移植チーム看護マニュアルとして2004年に初版(編集:河野文夫・岡野千代美)が,そして,2014 年に第2 版(監修:河野文夫,編集:日髙道弘・高尾珠江)が出版された.諸先輩方によって受け継がれてきた本書を第3版として改訂させていただくこととなった.臨床の現場で活躍する看護師さんたちに20 年近くにわたって活用いただいたことに感謝しながら,移植の現状に合った内容にするため全体の構成を含めて大幅に刷新した.改訂に伴い同種移植の内容が増加したため,自家移植に関する記述は省かせていただいた.

この20 年間で移植の合併症による死亡率は大きく減少し,臍帯血や移植後シクロホスファミド(PTCY)を用いたハプロ移植が一般化することで,ドナーが得られない例がほとんどなくなった.移植年齢上限は70 歳代まで上昇し,以前はあきらめるしかなかった患者さんに対しても,移植という生きる権利を提供できるようになった.一方で,長期生存者が増加して命だけでなく長期的な生活の質(QOL)まで考えた移植が求められている.また,患者年齢,ドナー選択肢,前処置,移植片対宿主病(GVHD)予防,感染管理が多様化したことにより,医師や看護師として把握すべき情報が増加し日々学ぶべきことが尽きない.

移植に関連した出版物の多くは医師による医師のための本である.本書は「看護師の看護師による看護師のための本」をコンセプトに,ほとんどすべての項を看護師が主体となって執筆した.当院では1991 年に開始した同種移植症例は2024 年10 月末で1,004 例に達した.これまでに培ってきたノウハウをもとに,医師,看護師,医療スタッフの"移植チーム"の総力をあげて,患者さんや医師を支える若手から中堅の移植看護師さんのための一冊を仕上げたつもりである.日々の診療で疑問が生じた際などに気軽に手に取っていただければと願っている.

初版と第2 版の著者の方々,この10 年間病棟を指導いただいた佐藤美穂師長,城芳恵師長,藤戸邦子師長,福田純子師長,そして改訂に際してすべての過程で丁寧に対応くださった南江堂スタッフの方々に心より感謝申し上げます.

令和6 年12 月
編集を代表して 河北 敏郎

作品の情報

メイン

フォーマット 書籍
発売日 2025年02月13日
国内/輸入 国内
出版社南江堂
構成数 1
パッケージ仕様 -
SKU 9784524203772
ページ数 284
判型 B5

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