スパンダー・バレエの創設メンバーの一人であり、80年代からUK音楽シーンに数々のヒット曲を送り出しているソングライター/ギタリスト、ゲイリー・ケンプ。 40年以上にも亘音楽的キャリアと自分の人生を振り返った自分自身の物語とそこからインスパイアされた架空の物語を組み合わせて完成した『THIS DESTINATION』。デラックス盤にはボーナス・トラックを3曲追加収録!!
スパンダー・バレエの創設メンバーの一人であり、80年代からUK音楽シーンに数々のヒット曲を送り出しているソングライター/ギタリスト、ゲイリー・ケンプ。俳優としても英国の犯罪スリラー映画『ザ・グレイズ』やホイットニー・ヒューストン主演の『ボディガード』に出演し、また2018年からはピンク・フロイドのニック・メイスンのプロジェクト、ニック・メイスンズ・ソーサーフル・オブ・シークレッツのツアーに参加している他、音楽Podcast「Rockonteurs」でGuy Prattとともに数々のミュージシャンとインタビューしている彼が、新たなソロ・アルバムをリリースする。
2021年の『INSOLO』以来となる本作『THE DESTINATION』。これはゲイリーにとってこれまでで最もパーソナルな作品であり、彼自身の過去、現在、未来についての考えやそれらに纏わる感情を、不気味なストーリーテリングやキャラクター・ワークを駆使して表現している。つまりこのアルバムは半自伝的作品であると同時に、誰もが共感できる場面を描いた普遍的なストーリーでもあるのだ。
アルバムはゲイリーの長年のコラボレーターであるトビー・チャップマンが キーボードとバッキング・ヴォーカルを担当。彼はまたゲイリーとともにアルバムのプロデュースも手掛けている。この他、ガイ・プラット(1987年以降のピンク・フロイドの リズム・セクションを担当)がベースで参加し、またジョン・メトカーフ(元デュルッティ・コラム、最近ではピーター・ガブリエル、ブラー、U2などのストリングス・アレンジャー)がストリングス・アレンジを手掛けている。(1/2)
発売・販売元 提供資料(2024/11/22)
『THIS DESTINATION』の為に制作された最初の曲は、目を見張るように映像的な「Take The Wheel」だ。そしてアルバムのタイトル・トラック「This Destination」は、ゲイリーが自身と音楽の関係について歌った曲だという。
「私がどんな状況にあろうとも、どんな葛藤が起ころうとも、音楽を作るプロセスが私の解決策なんだ。それが私の目的地だ」
この他、彼が人生を過ごしてきた街について「ロンドンは誰のものでもないというが概念を再考した」という「Borrowed Town」や、自身の両親が現役だった頃の思い出を綴ったポール・マッカートニー風の「Work」、そして「私は自分がどこに向かっているか分かっている。そこで休みを取るつもりだ」と歌い、このアルバムが1周したところで心の平穏を見出したかに思えるアルバム最後の曲「I Know Where I'm Going」など、全11曲が収録されている。デラックス盤には、アルバム未収録曲「Boy」、そしてスパンダー・バレエの名曲「True」と「Through The Barricades」のライヴ・アコースティック・カヴァー・ヴァージョンが追加収録されている。
40年以上にも亘音楽的キャリアと自分の人生を振り返った自分自身の物語とそこからインスパイアされた架空の物語を組み合わせて完成した『THIS DESTINATION』。イギリス音楽界を代表するソングライターの実力が遺憾なく発揮された作品である。(2/2)
発売・販売元 提供資料(2024/11/22)
スパンダー・バレエの元リード・ギタリストによる3枚目のソロ・アルバム。バンド時代に多くのヒット曲のソングライティングを手掛けてきた彼だけに、とにかく全曲のメロディーが豊かで素晴らしい出来映え。ギター・ソロは言わずもがな、元ドゥルッティ・コラムのジョン・メトカーフによるストリングス・アレンジも印象的で、英国ロック好きにはたまらない仕上がりです。
bounce (C)赤瀧洋二
タワーレコード(vol.495(2025年2月25日発行号)掲載)