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在庫あり| フォーマット | CDアルバム |
| 発売日 | 2025年03月12日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| レーベル | Sony Music Japan International(SMJI) |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| 規格品番 | SICP-6668 |
| SKU | 4547366721669 |
構成数 : 1枚
合計収録時間 : 00:38:39

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本作から3作続けてアラン・パーソンズがプロデュースすることになるのだが、初仕事ということもあるのだろうか、仕事ぶりは控えめだ。それまでの作品群に漂う重厚で濃密な空気感を残したままで、少しだけ外の新鮮な空気を入れ、気圧を高くして浮力を上げている。
レコードのA面は少し我慢が必要だ。大きな湿地こそないが、タイタンの海の精は気紛れだし、”どうしたの?”と訊きたくなるようなデコボコ路もあったりして、テール・ランプが壊れていては走りづらい。そんな鬱陶しい曇り空の下でも「レインコートの少女」との出逢いに心癒される。情景は雨模様だが旋律はからりと晴れていて、清々しささえ感じる。
B面はタイプの異なる長尺の3曲で編成されている。どれも構成力・展開力に優れた聴き応えのある秀作揃いで、楽曲の完成度は高い。
個人的な”推し”は「僕はアップル・サイダー」だ。金原二郎の”底抜け脱線ゲーム”のBGMに使えそうなポップでスピード感溢れる楽曲で、とにかく明るい。”トムとジェリー”のコミカルな追いかけっこを観ているみたいで、聴いているだけで元気をもらえる。加えて、タイトルの”アップル・サイダー”にも惹かれる。リンゴの甘い香りのするアルコール飲料のことらしいが、”サイダー”という響きが炭酸ソーダの爽やかな清涼感を届けてくれる。
続く「暗く荒れた海に」にも主題のような陰鬱な悲壮感はない。エドモンド・フィッツジェラルド号の難破のような壮大なドラマ仕立てでもない。曲調も角が取れていてマイルドだし、これなら船酔いすることも、悪夢にうなされることもない。
アンカーのタイトル曲「追憶の館」は8分を超える大作でありながら、クロニクルを聴く時のような緊張感や忍耐を必要としない。楽曲の組立てがしっかりしていることもあって、大がかりな仕掛けやスリリングなクライマックスがないにもかかわらず、冗長さも物足りなさも感じない。ライトで親しみやすいメロディの循環が実に心地よくて、リラックスして楽しめる長編に仕上げられている。