25年以上にわたってアンダーグラウンド・ヒップホップ界にその名を刻んできたミネアポリスのヒップ・ホップ・グループ、アトモスフィア。彼らが2011年にリリースしたアルバム。
ラッパーのSlugとプロデューサーのAntによるデュオ、Atmosphereのは、25年以上にわたってアンダーグラウンド・ヒップホップ界にその名を刻んできた。ミネアポリスで頭角を現した彼らのデビュー・アルバム『Overcast!』は、は1997年にリリースされた。一連のヴィニェットのように、絶え間ないツアー・スケジュールと組み合わされて発表されたこの作品を足がかりに、彼らはアメリカ中西部の音楽シーンに定着していった。彼らのソングライティングが、独創的な三人称の物語から、内省的な一人称の告発へと進化するのにそう時間はかからなかった。2000年代初頭、Slugはインタビューで冗談めかして「エモ・ラップ」というフレーズを発したが、彼らや他のアーティストを表現するために、プレスはこのジャンルのタグとして、その言葉を使い始めた。デビュー以来数十年間、Atmosphereは厳格なアウトプットを続け、20数枚のスタジオ・アルバム、EP、コラボレーションのサイド・プロジェクトをリリースしてきた。このリスペクトされるデュオは、正直さ、謙虚さ、脆弱さを音楽の前面に押し出すことでレガシーを築いてきたのだ。
発売・販売元 提供資料(2024/11/19)
25年以上にわたってアンダーグラウンド・ヒップホップ界にその名を刻んできたミネアポリスのヒップ・ホップ・グループ、アトモスフィア。彼らが1997年にリリースしたアルバム。 (C)RS
JMD(2024/11/19)
全米チャートで最高5位を記録して話題になった『When Life Gives You Lemons, You Paint That Shit Gold』からちょうど3年ぶり、2枚のEPを挿んでの新作。スラッグとアントに子供ができたころが近因になっているのか、タイトルやジャケットに打ち出されているようにアルバムのテーマはずばり<ファミリー>。スラッグのストーリーテリングが冴える冒頭の"The Last To Say"以下、メランコリックなトラックに乗せてさまざまなリレーションシップの在り方を説いていく内容は、前作ほどのヴァラエティー感こそないものの統一感では一枚上。エンディングの"Something So"~"My Notes"でのエモーション表現など、随所ではブルックリン勢を筆頭とした近年のUSインディー・ロックからの影響も窺わせる。
bounce (C)高橋芳朗
タワーレコード(vol.332(2011年5月25日発行号)掲載)