B・イーノ、ピンク・フロイド、Aphex Twin、Thom Yorkeなど使用の70年代レアシンセ、EMS社SYNTHI AKSのみで作った純エレクトリック・アルバム。2014年に仏のレーベル<Baskaru>よりリリースされた『Music from the SYNTHI』、2017年にリリースされた『Music from the SYNTHI 100』の続編。Synthiならではの使用方法により、内臓のシーケンサーのテンポを即興的に変化させ、弦楽四重奏のようにフレーズを歌うように演奏し多重録音。アナログシンセならではのオーガニックな音色、内臓スプリングリバーブのノスタルジックな響きによるエレクトリック室内楽。 (C)RS
JMD(2024/11/20)
EMSシンセサイザーをフィーチャーした作品としては同社のSynthi 100での作品も入れると3作目、AKS単体としては14年以来となるので実に10年ぶりのリリースとなる。その間にもAKSを拡張する外部デバイスを用いたAKSの魅力を伝えてきた氏だったので、そのあたりを用いたものかと思っていたところ、なんと内蔵シーケンサー機能のみで奏でるのがコンセプト。氏の思いの詳細はブックレットの本人解説に譲るが、別途ランダム音階を奏でることができる以外はかなり原始的な機能を使って奏でられる平均律といった既成の枠を逸脱した旋律が新しい時代の新たなカノンとして現代の我々を魅了する。
intoxicate (C)金子雄樹
タワーレコード(vol.173(2024年12月10日発行号)掲載)