前作『Where the Spirit Rests』で、2021年に権威あるドイツ・レコード批評家賞(Preis der Deutschen Schallplattenkritik)を受賞してから三年、ニューアルバム『The Land We Knew the Best』と新たな物語を携えて戻ってきた。
クリス・エックマンは、錬金術師のようなタッチを持つソングライターのひとりだ。シアトルのロック・フォーク・バンド、ウォーカバウトのソングライターとして、また6枚のアルバムをリリースしたソロ・キャリアで、彼はそれを証明してきた。
彼の作品は身の回りのことについて書くことが多く前作から時は経ち身の回りの変化や考え方の変化もあったが、今作でもっとも重要なのは地理的な変化だ。『The Land We Knew the Best』に収録されている曲には、彼のこれまでの作品の舞台であったアメリカ西部の人々や荒れ果てた風景は登場しない。彼は拠点をスロベニアのリュブリャナに移しており、それが彼の意識に染み込んでいる。街だけでなく、それを取り囲む山々や生い茂る森の自然に至るまで、その土地特有の感覚がしみわたっている。星が輝く山頂、夕暮れ時の稜線。といったスロベニア独特の風景が広がり、独自の感情的な地理が伝わってくる。また、このような変化は歌詞に表れているだけでなく、音楽にも溢れている。Where the Spirit Rests(魂が眠る場所)をはじめ、サウンドはよりふくよかで、より暖かく、より質感に富み、これまでとはまったく違ったものにしている。これは記憶と場所、心と希望のアルバムだ。『THE LAND WE KNEW THE BEST』、つまりクリス・エックマンが最もよく知る風景の中を、没入感たっぷりに鮮やかに歩き回ることができる。
発売・販売元 提供資料(2025/01/24)