ニック・ドレイクの瞑想的なフォークとクルビ・ダ・エスキーナの融合!バーラ・デゼージョやアナ・フランゴ・エレトリコに続くリオデジャネイロの大型新人、ニコラス・ジェラルヂがデビューアルバムをリリース! (C)RS
JMD(2024/10/29)
ニック・ドレイクの瞑想的なフォークとクルビ・ダ・エスキーナの融合!バーラ・デゼージョやアナ・フランゴ・エレトリコに続くリオデジャネイロの大型新人、ニコラス・ジェラルヂがデビューアルバムをリリース!
■ニコラス・ジェラルヂはブラジルのリオデジャネイロ出身、弱冠25歳のシンガー・ソングライターだ。幼い頃から音楽に親しみ、18歳の時に最初のバンド「Ente(エンチ)」を結成。担当はベースだったそうだ。しかし2022年、ニコラスはバンドを離脱。ソロ活動に専念することを決意した。本作『Em Outro Lugar do Ceu』(2024)は、そんな彼の記念すべき1stソロアルバムだ。
■彼の音楽の特徴は、何といってもミナス音楽、特に1970から80年代にかけての「クルビ・ダ・エスキーナ」(「街角クラブ」という意味で、ミルトン・ナシメントを中心としたミナスの音楽ファミリーのこと)から大きな影響を受けている点だ。それもミルトン・ナシメントというよりは、ロー・ボルジェスやベト・ゲチス、フラヴィオ・ヴェントゥリーニといったよりロック色の濃いアーティストたちからの影響が大きい。讃美歌のような恍惚に満ちた歌声、ミナスらしいロマンチシズム、煌めくようなギターの音色、叙情的なメロディー...。どの楽曲も「クルビ・ダ・エスキーナ」への憧憬、愛情に満ちている。と同時に、ニコラスが心から敬愛するジョージ・ハリスンやニック・ドレイク、さらには世界共通のインディーヒーローであるマック・デマルコ、そしてリオデジャネイロの雄大な自然までもがインスピレーションとなっている。
■参加ミュージシャンも豪華で、ギリェルミ・リリオ(Gt./Producer)、セルジオ・マシャード(Dr.)、アルベルト・コンチネンチーノ(Ba.)、ドラ・モレレンバウム(Vo.)など、アナ・フランゴ・エレトリコやバーラ・デゼージョらの作品に携わってきた、現代ブラジル音楽シーンを支える面々が勢ぞろい。デビュー作にしては異例ともいえるこの布陣は、多くのミュージシャンが彼の類まれなる才能に賛辞を送っている証拠と言えるだろう。
■70-80年代にかけてのブラジル音楽から、チン・ベルナルデスやレオナルド・マルケスといった近年のブラジル発のオルタナティブ・ロック、さらにはジョージ・ハリスンやニック・ドレイクといったエバーグリーンな魅力を放つシンガー・ソングライター、そしてインディーロックのファンにまで推薦したい傑作!(歌詞対訳・解説付)
発売・販売元 提供資料(2024/10/17)
ギリェルミ・リリオやリオ新世代の俊英らが多数参加したニューカマーの初作。ミナス派に通じる浮遊感のあるメロディーに柔らかなファルセットが乗る"Vim Da Solidao"などオーガニックな作風が特徴で、全編を彩る優美なストリングスがワイドなスケール感を演出するあたりが聴きどころ。ジョージ・ハリスンやニック・ドレイクへの憧憬が随所に浮かぶ点も魅力的だ。
bounce (C)桑原シロー
タワーレコード(vol.494(2025年1月25日発行号)掲載)