アメリカン・ルーツ・ミュージックの歴史を自らに取り込み、アメリカン・ミュージックの未来を紡ぎだす才媛、リアノン・ギデンズが語るアメリカの鉄道物語。
彼女がシルクロード・アンサンブルとともに手掛けるプロジェクト『AMERICAN RAILROAD』が13曲収録のアルバムとして発売決定。アメリカの発展に大きな役割を果たしてきた鉄道にまつわる物語が音楽とともにここに語られる。
ヨーヨー・マが1998年に立ち上げた「シルクロード・プロジェクト」を母体として活動するグループ、シルクロード・アンサンブル。経済・文化・政治・宗教の交流に中心的な役割を果たした古代の交易路シルクロードをモデルに、国境を超えたアイディアや伝統、イノヴェーションなどの文化的交流を実現すべく活動する彼らは、メンバーが固定されたグループではなく、伝統的な東西の音楽と、現代の音楽との関りを追求するアーティスト集団である。多様なキャリアを持つ彼らは、西洋クラシック音楽、東洋の民謡のみならず、オリジナル曲などを含む様々なプログラムの演奏会をアメリカ、欧州、アジア各国で行っている。
現代同プロジェクトのアーティスティック・ディレクターを務めるのは、アメリカン・ルーツ・ミュージックの歴史を自らに取り込み、アメリカン・ミュージックの未来を紡ぎだす才媛、リアノン・ギデンズ。彼女とエクゼクティヴ・ディレクターのベン・ハートリーのリーダーシップのもと、シルクロード・プロジェクトはグラミー賞を受賞したシルクロード・アンサンブルによる新しい音楽の創作とともに、社会的影響のある取り組みや教育プログラムを主導している。
そのシルクロード・プロジェクトがこの数年にわたり取り組んでいるのが『AMERICAN RAILROAD』である。同名のアルバムとポッドキャストから構成されているこのプロジェクトから、2つの作品がリリースされることが発表された。
音楽アルバムはNONESUCH RECORDSから発売となり、ポッドキャストはPRXとのパートナーシップによりリリースとなる。
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発売・販売元 提供資料(2024/10/11)
今回リリースとなる『AMERICAN RAILROAD』のアルバムは、2023年秋に開催されたシルクロード・プロジェクトによるAMERICAN RAILROADツアーを反映したものである。アルバムに収録されている13曲の中には、セシル・マクロクリン・サルヴァントやスザンヌ・カイト、そしてシルクロード・プロジェクトのアーティスト、ウー・マンによる楽曲が収録されている他、リアノン・ギデンズやシルクロード・プロジェクトのアーティスト、ハルカ・フジイやメイヴ・ギルクリスト、マズ・スウィフトによる曲の新たなアレンジがフィーチャーされている。アルバムの最後を飾るのは、シルクロード・プロジェクトのアーティスト、プラ・フェ、サンディープ・ダス、ニウェル・ツンブ、カオル・ワタナベによるオリジナル曲とアレンジである。アルバムはツアー中のカリフォルニア州ソノマのグリーン・ミュージック・センターとカリフォルニア州バークレーのゼラーバッハ・ホールでレコーディングされ、共同プロデューサーとしてリアノン・ギデンズ、ワタナベ・カオル、ジョディ・エルフが名を連ねている。
アルバムからのファースト・シングルとなるのは、トラディッショナル曲をリアノン・ギデンズがアレンジした「Swannanoa Tunnel / Steel-Driving Man」。「Swannanoa Tunnel」はギデンズの故郷であるノース・カロライナで意に染まず命がけでスワナノア・トンネルの建設に従事させられた、不当に投獄された黒人男女によって書かれた曲だ。この曲は彼らへのオマージュであり、蒸気ハンマーとの対決で心臓が破裂して死んだ民俗的英雄ジョン・ヘンリーを歌った人気のトラディショナル曲「Steel-Driving Man」のヴァージョンで締めくくられている。
サルヴァントが初めてシルクロード・プロジェクトに提供した楽曲「Have You Seen My Man?」は線路に沿ってゆっくりと歩く女性を描いた架空の物語で、その中で彼らの労働力によって建設されたにもかかわらず、列車に乗ることができない何世代もの放浪者たちが、彼女の歩みに加わっている。また「Wihanblapi Mazachanku」という楽曲は、スザンヌ・カイトの作品だが、ここで彼女はシルクロード・プロジェクトのメンバーが見た夢をもとにラコタ語の筆記体を使用したグラフィック・スコアを作成した。ウー・マンの「Rainy Days」は彼女の楽器、ピパとバンジョーと声を組み合わせ、太平洋を横断する鉄道で働く夫や息子を恋しく思う中国の妻や母親の感情を表現している。そしてハルカ・フジイの「Tamping Song」は特に1882年の中国人排斥法以降の鉄道における日本人移民の貢献を称え、ギルクリストの 「Far Down Far 」は、アイルランドの鉄道労働者におけるカトリックとプロテスタントのコミュニティ間の緊張に光を当てている。スウィフトがスピリチュアルな曲を取り上げた 「O Shout!」は、アメリカの奴隷にされた人々が、希望、献身、自由、そして反乱といった複雑なメッセージを、音楽を通して伝えることができたことを思い起こさせる。
アメリカの発展に大きな役割を果たしてきた鉄道にまつわる物語を描いた『AMERICAN RAILROAD』。リアンノン・ギデンズが紡ぎ語るアメリカの歴史プロジェクトがアルバムという形となりここに届けられた。
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発売・販売元 提供資料(2024/10/11)