ペンシルベニアの至宝、イノセンス・ミッションからの新しい便り。奇跡の歌声とやわらかなサウンドが織り成す魔法の音楽。彼らの新しい音にふたたび触れることができる幸せを噛みしめながら味わいたい。
ペンシルベニア州ランカスターのトリオ、イノセンス・ミッションが新しいアルバム『ミッドウィンター・スウィマーズ』をリリースする。すでにビデオも公開されている先行シングル曲「This Thread Is a Green Street」について、バンドのシンガー・ソングライターのカレン・ペリスはこう語っている。
「風景を出入り口の世界として思い描くようなもので、記憶を探し出したり、会いたい人になんらかの方法で近づくことができるかもしれない。自然界で遭遇するかもしれない情景や、もっと日常的なもの、たとえば、なにかを繕っているときの縫い糸の別の場所へ連れていってくれる性質は、道路地図を思い出させてくれる。これを録音することについての一つのことは、音のなかのこの感覚をどうやって見つけるか、そして、1970年代の子供のころの合唱の半分、記憶にある美しさをどうやって見つけるかということだった。レコーディングには、いい意味で捉えどころのない探求がある」
イノセンス・ミッションの4年ぶりのスタジオ・アルバム『ミッドウィンター・スウィマーズ』は、すぐに古い友人のように聞こえる。それと同時に、高校時代の友人であるカレン・ペリス、ドン・ペリス、マイク・ビッツからなるペンシルベニアの愛すべきバンドにとって新しい種類の冒険でもあり、広がりのある映画のようなクオリティと、新たに発見されたヴィンテージ・フォーク・アルバムの奇妙でローファイな美しさの両方を備えている。
「1960年代にウェスタン・エレクトリックで録音されたような感じで、ヴァシュティ・バニヤンやシビル・ベイヤーを思わせるだけでなく、オーケストレーションのエモーショナルな爆発があり、ドラムとハーモニーが入ってくる。イノセンス・ミッションのサウンドはより豊かになっていくことを止めない」と、初期のリスナーで友人の一人は書いている。
発売・販売元 提供資料(2024/10/04)
またしても静かに胸を打つ瞬間がそこここに。デビュー35年目に届いた4年ぶりの新作には、短編映画のような趣を持つ味わい深さが横溢。軽快なノリを持つ表題曲を筆頭に深いリヴァーヴを施したカレン・ペリスの歌声がどこまでも美しく清廉で、耳を優しく撫でてくれるかのよう。なかでもボサノヴァ調の"Your Saturday Picture"の輝きがひときわ強く感じられる。
bounce (C)桑原シロー
タワーレコード(vol.492(2024年11月25日発行号)掲載)