来日公演を記念して、トム・ヨークのソロ作品が国内盤CDと日本語帯付きLPにて一挙発売!
音楽史に衝撃と革新をもたらしてきたレディオヘッドのリードシンガー/ソングライター、トム・ヨーク。11月の来日公演を記念して、レディオヘッドに続き、トム・ヨークのソロ作品も日本語帯付きLP、国内盤CDにて発売決定!
音楽への探求心と新たな挑戦が詰まったトム・ヨークのソロ・デビュー・アルバム!
レディオヘッドのフロントマン、トム・ヨークの来日公演を記念して、ソロ・デビュー・アルバム『ジ・イレイザー』が高音質UHQCD仕様による国内盤CDと日本語帯付きLPが同時リリース。プロデューサーにレディオヘッドの作品も手掛ける盟友ナイジェル・ゴッドリッチを迎え、ミニマルなエレクトロニックやエクスペリメンタル・ロックの要素を取り入れたポップなアルバムに仕上がっている。またこのアルバムはイギリスのMercury Music Prizeを受賞し、グラミー賞ではベストオルタナティブミュージック部門にノミネートされるなど高評価を獲得。収録曲「Analyse」は映画『プレステージ』に、「Black Swan」は映画『スキャナー・ダークリー』のエンディングロールに使用された。このアルバムは彼の音楽への探求心と新たな挑戦が詰まった大傑作!
発売・販売元 提供資料(2024/10/02)
肩の力がこれほど抜けているトム・ヨークの表現は、とても貴重だ。だからこそこのソロ・プロジェクトの音からは、レディオヘッドの音にはついぞなかった要素がいくつも発見できる。たとえば、レディオヘッドのすべての作品を思い出してみると、彼らの〈表現〉を象徴していたのは例外なく、さまざまな種類の〈緊張感〉だった。それがバンド・サウンドであろうとエレクトロニックなエフェクトを多分に使用したものであろうと、だ。ゆえにトム・ヨークの歌声も、時に境界線を彷徨う危うさを醸し出したり、また時にはこれ以上引っ張ったら切れてしまうゴムのような、ビリビリと感電しそうなテンションを生んでいた。だが、ここでのトム・ヨークの歌声にはまったくエフェクトがかからないどころか、アルバム全体の雰囲気を牽引する柔らかな優しさが宿っている。素朴さとも言い換えたいほどに、素のままの彼の息吹が伝わってくる。サウンド面がかなり無機質というか、クリック・テクノを発展させたループ感と少々の生音を混ぜながら構成する手法だからこそ、もし〈歌声〉の雰囲気が違えばアルバム全体から表出するものは正反対だったはず。だからこそ、このアルバムの肝は〈歌声〉だと思えてならない。ちなみに私は、最初数回聴いた時は〈レディオヘッドの延長線上か!?〉と感じたが、聴き込むほどに人肌感が強まり、徐々にトム・ヨークの個性が見えてきた気が。なので、繰り返し聴き込むことをお勧めしたい。
bounce (C)妹沢 奈美
タワーレコード(2006年07月号掲載 (P80))
トム・ヨークは確かにスゴイ人だと思う。でも、トムを神みたいに崇め、彼のやることなすことすべてに賛同してしまう人たちは個人的にどうかと思っていたし、その閉ざされた世界を前にすると思わず身じろぎしてしまう。言ってしまえば、トムや彼のファンに対して暗くて辛気臭いイメージを持ってしまっていたのだ。だからこそ、BBEからリリースされたレディオヘッドのトリビュート盤『Exit Music : Songs With Radio Heads』に参加したアーティストの幅広い顔ぶれ(オシュランデやプラティナム・パイド・パイパーズのワジードなど)には驚かされたし、このファースト・ソロ・アルバム『The Eraser』がXLからリリースされると知った時も意外な気がした。今作はハーバートの最新作『Scale』やゼロ7の『When It Falls』にも似た、〈歌〉を重要視しながらもビートを前面に押し出したアルバムに仕上がっている。トムがすべての曲を書き、全楽器を担当したと聞くと内省的な音世界を想像しがちだが、レディオヘッドの近作とは比べ物にならないほどポップで開放的。ヴォーカルひとつをとってもリヴァーブなどの細工を控えているせいか、全体的にシンプルな印象を受け、だからこそそのほかの音がストレートに耳に飛び込んでくる。真新しいことにチャレンジしているふうでもないが、そのぶん閉ざされた息苦しさは皆無。そんなわけで、レディオヘッドが醸し出してきた〈ムード〉を敬遠してきた人にこそ気軽に手に取ってもらいたい一枚であり、なるほど、XLからのリリースにも意義ナシである。
bounce (C)山西 絵美
タワーレコード(2006年07月号掲載 (P80))