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「多様な教育機会」をつむぐ ジレンマとともにある可能性

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フォーマット 書籍
発売日 2024年09月19日
国内/輸入 国内
出版社明石書店
構成数 1
パッケージ仕様 -
SKU 9784750358062
ページ数 372
判型 A5

構成数 : 1枚

はしがき[森直人]

序章 バスに乗る――反復される対立構図を乗り越えるために[森直人]
1 多様な教育機会を考える会とは
2 「多様な教育機会」という主題の由来
(1)法案の意義、法案への危惧
(2)法案の問題提起の継承へ
3 反復される対立構図――「教育の自由化」論を境とする変容
(1)福祉国家と公教育
(2)藤田-黒崎論争
(3)「ゆとり教育=学力低下/格差拡大」批判の言説以後
4 「バスに乗る」――反復される対立構図を乗り越えるために

第I部 「多様な教育機会」を考える――ジレンマの見方

第1章 「多様な教育機会」と教育/福祉――ジレンマのなかで、ジレンマと向き合う実践の論理[森直人]
1 はじめに――「多様な教育機会」概念の拡張と教育/福祉という視点
2 教育/福祉の歴史的展開
3 実践としての教育/福祉
(1)3つの留意点――「実践」と「区別」
(2)教育/福祉における同一性と差異性
(3)教育/福祉がもたらすジレンマ
4 ジレンマのなかで、ジレンマと向き合う実践の論理

第2章 「無為の論理」再考[金子良事]
1 はじめに
2 「一息つく」――「無為の論理」の一つの形
(1)「一息つく」の普遍性
(2)成果とは切り離される
3 「一息つく」がなぜ重要なのか?
(1)「一息つく」と相談支援や学習
(2)「無為の論理」と対立する「外在的ルール」
(3)存在を肯定するとは何か――福祉と教育の相克するとき
4 おわりに

第3章 教育における緩さとジレンマの意味論――「社会的に公正な教育」の構想とその実践的課題=可能性[澤田稔]
1 はじめに――研究のスタンス/思考のスタイル
(1)中途半端さの選択
(2)より望ましい公教育像の描き方――理論モデルと実践事例とのあいだのモヤモヤ
(3)本章の構成
2 社会的に公正な教育の基本理念――コンピテンシー・インクルージョン・デモクラシー
(1)コンピテンシー・ベースの教育
(2)公教育におけるインクルージョンとデモクラシー
(3)再分配・承認・代表の政治と「社会的に公正な教育」の構想
(4)公教育に求められる「緩さ」とその意味
(5)「社会的に公正な教育」のジレンマとその解決・展開方法
3 事例の考察――「緩さ」の作法と「交差是正」の教育実践
(1)「精神の習慣」を軸とするコンピテンシー・ベースの教育における「交差是正」
(2)「ピース・コーナー」の設置というインクルーシブな教育の企図における「交差是正」
(3)「クラス憲法」の取り決めと運用における「交差是正」
4 まとめ――ジレンマの解消ではなく反省的展開へ
(1)「社会的に公正な教育」の基底的要因としてのインクルージョン、または「承認の政治」
(2)再び「社会的に公正な教育」が直面するジレンマについて

第II部 「多様な教育機会」をつくる――ジレンマのなかの実践

第4章 インクルーシブな高等学校づくりにおける実践の端緒――アイデア会議、オンザフライミーティングなどにおける水平型コミュニケーションの可能性について[中田正敏]
1 はじめに
(1)学校づくりの枠組みと組織的な課題
(2)赴任当初に感じた「ちぐはぐさ」
2 さまざまな局面におけるコミュニケーション
(1)解釈層――既存のスクリプト
(2)矛盾層――相矛盾するスクリプト
(3)矛盾層から解釈層への退却――旧スクリプトの復活
(4)矛盾層からエージェンシー層へ
3 アイデア会議の実施と学校組織のコミュニケーションの変化
(1)アイデア会議という構想
(2)「基本デザイン」の提示
(3)アイデア会議の企画
(4)アイデア会議の実施
(5)「アイデア会議」の結果のフィードバック
(6)「アイデア会議」とは何か
4 「廊下での対話」とオンザフライミーティング
(1)廊下での対話
(2)オンザフライミーティング
(3)オンザフライミーティングとフォーマルな会議
5 まとめと若干の考察

第5章 地方の高校生と都市部の大学生をつなぐ場と機会の創出――バーチャル空間を活用した公設型学習塾の実践の現在地[高嶋真之]
1 本章の対象と筆者の立場
2 鹿追町オンライン公設塾の設置と構想の過程
(1)鹿追町と鹿追高校の概要
(2)公設塾の設置の背景とオンラインの選択
(3)オンライン公設塾のイメージの具体化
(4)オンライン公設塾のコンセプトの具体化
3 鹿追町オンライン公設塾の実践とさまざまな意図
(1)鹿追町オンライン公設塾の多様な実践
(2)利用している生徒の普段の様子
(3)生徒や関...

  1. 1.[書籍]

1巻は「ジレンマ」と「緩さ」を公教育再編と子どもの福祉に不可欠なポジティブな要素と捉える。なかでも、II部の実践者による「多様な教育機会」の省察が本書の中心であり、I部はそれらの共通性を探り、III部はRED研と教育機会確保法について振り返る構成をとる。

作品の情報

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著者: 森直人澤田稔金子良事

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