販売価格
販売中
お取り寄せお取り寄せの商品となります
入荷の見込みがないことが確認された場合や、ご注文後40日前後を経過しても入荷がない場合は、取り寄せ手配を終了し、この商品をキャンセルとさせていただきます。
| フォーマット | 書籍 |
| 発売日 | 2024年09月26日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| 出版社 | 洛北出版 |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| SKU | 9784903127354 |
| ページ数 | 400 |
| 判型 | 46 |
構成数 : 1枚
【目 次】
【I】ハーンの耳
・・・序 文字の王国
・・・大黒舞
・・・ざわめく本妙寺
・・・門づけ体験
・・・ハーメルンの笛吹き
・・・耳なし芳一 考
【II】ハーンと女たち
語る女の系譜
・・・母語の抑圧と回帰
・・・英語教師の性的日常
・・・女性と民間伝承
・・・良妻賢母主義の光と闇
「女の記憶」という名の図書館
・・・スレイヴ・ナラティヴ
・・・『ユーマ』
・・・「幽霊」
【III】ハーンと文字
文字所有者の優位から文字の優位ヘ/カフカ・ハーン・アルトー
盲者と文芸/ハーンからアルトーへ
【IV】宿命の女
「おしどり」とマゾヒズム
・・・糾弾する女たち
・・・自己犠牲と改心
・・・ザッハー=マゾッホからの偏差
・・・マゾヒズムの諸様態
怪談 浦島太郎
・・・千四百十六年
・・・海神・龍王・龍神
・・・世紀末の女
・・・南方憧憬
【V】ハーンと世紀末
ラフカディオ・ハーンの世紀末 黄禍論を越えて
・・・あなたがた/彼ら
・・・ジャーナリスト/フォークロリスト
・・・日本論/戦争論
・・・わたしたちへ
・・・ハーンから宮沢賢治へ
ハーンを交えて議論してみたいこと
索 引
ハーン(小泉八雲)――
聲[こえ]の旅人、その作品と生涯。
* * *
「ラフカディオ・ハーンの耳」「耳の悦楽」など多数の、著者渾身のハーン論をここに一挙集成し、大幅に加筆&修正した「大増補&改訂新版」。たくさんの絵図・写真も掲載。
* * *
地中海に浮かぶレフカダ島に生まれ、母親とアイルランドへ移り住み、米国シンシナーティからニューオーリンズを経て、フランス領マルチニーク島へ、さらに西へと海を渡り、40歳を前(1890年)にして、ラフカディオ・ハーンは来日した。
盲目の女性芸能民の三味線、行商人の下駄のひびき、大黒舞[だいこくまい]の踊りと歌、道ゆく「按摩[あんま]」の笛の音、旅館の女将の「風鈴のような声」……。
富国強兵に突き進む近代日本が切り捨てた口承文芸の調べ、民衆の暮らしの音、小泉セツの怪談語りが、ハーンの耳を圧倒する。近代化のなかで抑圧されていった「雑音」に耳を傾け、耳本来の受動性にすべてをゆだねたのである。
シンシナーティやニューオーリンズ、マルチニークの、水夫や住みこみ女中の濃厚な声もまた、これら雑音とともに、そして小泉セツの語りとともに、潮騒のようにハーンに押し寄せる。「海の声は…たくさんの声がかもしだすざわめき」なのである。
このざわめきを聴き取るために、ハーンがセツに怪談を語らせるさい、彼女にこう求めた――「ただあなたの話、あなたの言葉、あなたの考でなければ、いけません」。セツのそばで耳の孔をおしひろげながら、男は盲目の琵琶法師[びわほうし]へと変身する。こうして彼は「小泉八雲」となった。
しかし彼は、セツの生身の姿については堅く口をつぐみ通す。セツの息づかいを彼が英語の文体の内に活かしきったところではじめて、彼女の影が幽かに浮かぶにすぎない。
凍てつく息を男の顔にふきかける「雪おんな」。
耳をひきちぎられる琵琶弾きの盲僧「芳一[ほういち]」。
変わり果てた故郷の姿に絶望し、時の重みで凍死する「浦島[うらしま]」。
彼は、糾弾する女を、女によって糾弾される男を、くり返し描いた。小泉セツ、女たち、病者、獣、死者たちが発する声になすすべもなく、その身をゆだねたのである。押し寄せる声のざわめきに、男は耳の奥で、何かを聞いたのだ。

※ショッピングカートおよび注文内容の確認画面にてフラゲのお届けになるかご確認ください。
※各種前払い決済をご利用の場合、フラゲは保証しておりません。
※フラゲは配送日時指定なしでご注文いただいた場合に限ります。
読み込み中にエラーが発生しました。
画面をリロードして、再読み込みしてください。
