自身のキンテートによる革新と伝統が織り成す緊迫のアンサンブルでピアソラ以降の新たなアルゼンチン・ジャズの可能性を掲示する鬼才ディエゴ・スキッシ。自身の五重奏を率いてタンゴの名作曲家マリアーノ・モレスの楽曲を再解釈した'18の傑作が待望のレコード化。
タンゴを代表する作曲家の一人マリアーノ・モレス(1918-2016)の楽曲を取り上げた本作は、ディエゴの先輩格に当たるアドリアン・イアイエスが同テーマで行っていたコンサートを継承するといった形でスタートしたのだという。それぞれの楽曲に違ったアプローチで臨み、自身のキンテートのためにアレンジを書いていったというディエゴ。リディア・ボルダ(#4,7)、ナディア・ラルチェル(#2)、ミカエラ・ヴィタ(#2)といった現代アルゼンチンを代表する女性歌手をゲストに迎えつつ、時にミニマル、時にオーケストラのような迫力で、マリアーノ・モレスの楽曲に新たな光を当てる全12曲。革新性を推し出しつつも、過去の偉人への敬意を示し更なる可能性を開拓したタンゴ、アルゼンチン音楽史に名を残す傑作だ。
発売・販売元 提供資料(2024/09/11)
ジャズや現代音楽の要素を取り入れた実験的なタンゴを表現する鬼才ピアニスト/コンポーザー、ディエゴ・スキッシ。自身の五重奏楽団を率いてタンゴの名作曲家マリアーノ・モレスの楽曲を、オリジナリティ溢れるコンポジションによって新たな可能性を表現。伝統的なタンゴの枠にとらわれない挑戦的なサウンドは前作で確立されたものだろうが、本作では現代アルゼンチンを代表する女性歌手たちをゲストに迎えた歌曲もフィーチャーされ、タンゴの伝統への深い理解も伺うことができる。「ピアソラ以降」という言葉で称されるのも納得の作品。
intoxicate (C)栗原隆行
タワーレコード(vol.134(2018年6月20日発行号)掲載)