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日本の果物はすごい 戦国から現代、世を動かした魅惑の味わい

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フォーマット 書籍
発売日 2024年09月19日
国内/輸入 国内
出版社中央公論新社
構成数 1
パッケージ仕様 新書
SKU 9784121028228
ページ数 320
判型 新書

構成数 : 1枚

目次

はじめに

第1章 柑橘――家康が愛して以来日本人を虜にした果物
1 柑橘ことはじめ
柑橘類の果実の特徴はあの「霧状の液体」にあり 柑橘(ミカン)の多様性 なぜ室町時代まで九州以外には広まらなかったのか? 知られざるタチバナの存在感 日本列島最古の柑橘類・タニブターを知っているか? 長寿村日本一へと押し上げたのはノビレチン?
2 日本の柑橘は小みかん(紀州みかん)で劇的に変わった
神武天皇に献上された小みかん 宝石並み? 室町時代の蜜柑の価値 徳川家康が自ら接ぎ木し駿府城に手植したミカン 名君が誕生したのはミカンのおかげ 紀伊国屋文左衛門の蜜柑船は都市伝説
3 温州みかんとミカン産業
温州みかんを世界に紹介したのはかのシーボルト ペリー一行へのもてなし料理に用いられたクネンボ(九年母) 温州みかんは品種ではない 早生温州「青江早生」が島を救った みんな大好き缶ミカン(ミカン缶詰)はいつからか? 北原白秋のふるさとで発見された「宮川早生」 ポンジュースの商品名は「ボンジュール」から 3代目ポンジュースとチクロ騒動 オレンジ輸入自由化と温州みかんの底力 紀州有田みかんの光景 みかんで全国から就職希望者を集める早和果樹園 静岡県の温州みかんで骨粗しょう症予防 小田原だからこそ生まれた冷凍みかん
4 個性派揃いの中晩柑
ある海から流れついた夏みかん ハッサク人気のきっかけは銀座千疋屋 国による柑橘育種の出発点、興津試験場 次世代の柑橘の楽しみ方は香りにあり タンゴールとは温州みかんとオレンジの交配種 戦後の愛媛を支えた伊予柑 デコポンという品種は存在しない 和製グレープフルーツといえばなにか? 学習支援教室「みかん島」の誕生 JR宮崎駅前広場には黄色でまんまるのポストがある 宮崎県の城跡で偶然発見され高知県で人気が出た日向夏
5 酸味こそが価値の香酸柑橘
知っているようで知らない香酸柑橘 中国生まれのユズが京の都の食文化を支えたカボスが料理人に認められたきっかけは太平洋戦争 すでに身近なフルーツ魚(フルーツフィッシュ) 優位性がないからこそ文学史に名を残したレモン 広島レモン、瀬戸田レモン、大長レモンはどう違う レモンの浮き沈みの歴史から見える発がん物質騒動 レモンはレモンらしくないと売れない

第2章 カキ――いにしえより日本人と苦楽をともにしてきた果樹
1 渋柿が広げたカキの価値
カキタンニンの活用 干柿は神々に捧げる食事 さるかに合戦に登場したのは不完全甘柿 1000年前にはすでに存在した渋柿の脱渋法 信長、秀吉、家康がこぞって利用した堂上蜂屋柿 処刑直前に石田三成が発した名言 一度は絶えてしまった堂上蜂屋柿 干柿の一大ベストセラーの裏には1929年の世界恐慌 毛利軍の兵糧調達で始まった島根の干柿
2 生食用の甘柿
世界初の甘柿は東の高野山で発見された 300年の時を経てあの名句を生んだ御所柿 西吉野のカキと柿博物館 奥大和の山奥にカキで人を呼ぶ柳澤果樹園 柿の葉寿司専用品種がある 「富有」の名の由来は中国の古典から 蚕糸業界のドンが庄内柿の父と呼ばれた理由 カキの収穫量日本一は和歌山県 静岡県民と愛知県民は「次郎」好き 進む国や県の品種改良 国民的おやつ「柿の種」はなぜあの形?

第3章 ブドウ――謎の品種が日本で興した2つの産業
1 ブドウの品種の広がり
欧州ブドウと米国ブドウの違い 古代日本人にワインが根づかなかった理由 謎に包まれた甲州ブドウの生い立ち 信玄にも仕えた医仙永田徳本の大発明 宿場町を発展させた運搬ルート ブドウ狩りは勝沼から始まった ブドウ狩りだからこその楽しみ DNAレベルで解明された本当のルーツ
2 日本ワインのあけぼの
初の国産ワインが流通するまでの軌跡 近年の甲州ワイン品質向上プロジェクト 甲州ワインをおいしくしたシュール・リー製法 「甲州」が秘めていた香り 高い輸出の壁を突破した「甲州」 明治政府の取り組み 薩摩藩邸跡地に三田育種場を創設した前田正名 幻の国営ワイナリー播州葡萄園
3 ブドウ産業のレジェンドたち
マスカット栽培の創始者、山内善男と大森熊太郎 ナパに逃亡した小沢善平と「デラウェア」 日本のワイン王神谷伝兵衛とシャトーカミヤ 神谷葡萄園と牛久醸造場 「蜂印香竄葡萄酒(蜂ブドー酒)」対「赤玉ポートワイン」 日本のワインぶどうの父、川上善兵衛 「マスカット・ベーリーA」誕生 サントリー登美の丘ワイナリー 太平洋戦争中に果物のなかでブドウだけが増産された理由 桔梗ヶ原ワインバレーならではの魅力 高校生なのにワインの製造販売が許されている塩尻志学館高校
4 そのまま食べておいしいブドウはどうやって発展したか
岡山県生まれの「ネオマスカット」 「巨峰」の開発に生涯を捧げた大井上康 種なしブドウの種明かし 師の思い...

  1. 1.[書籍]

日本の歴史と経済を語るのに果物は欠かせない。
柿は平安時代から生活用品として活躍した。徳川家康は関ヶ原の戦い直前になぜ柿と桃に願をかけたのか。ペリー来航の際、アメリカと対等に渡り合おうと日本が振る舞った料理に添えられた品種は何か。太平洋戦争中、軍需物資として密かに大量生産されたのはどんなブドウだったか。
日本発展の知られざる裏側を「果物×歴史」で多種多様に読み解く、「もうひとつの日本史」。

作品の情報

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著者: 竹下大学

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