ボッケリーニ以前に、チェロのテクニックの進化を語るうえで欠かせない重要な作曲家が2人存在する。それがランゼッティとコスタンツィ。CD『ランゼッティ/チェロ・ソナタ集』(ALCD-1131)で文化庁芸術祭優秀賞を受賞した懸田貴嗣と渡邊孝が、満を持してコスタンツィの作品をレコーディング。ボッケリーニを弟子としていたコスタンツィの多様で高度な演奏技法を伴う音楽は、18世紀の音楽全体に対する先入観を覆すに余りある。同時代のローマの作曲家、ガスパリーニの鍵盤作品も収録。 (C)RS
JMD(2024/08/16)
ボッケリーニ以前に、チェロのテクニックの進化を語るうえで欠かせない重要な作曲家が2人存在する。それがランゼッティとコスタンツィ。CD「ランゼッティ/チェロ・ソナタ集」(ALCD-1131)で文化庁芸術祭優秀賞を受賞した懸田貴嗣と渡邊孝が、満を持してコスタンツィの作品をレコーディング。ボッケリーニを弟子としていたコスタンツィの多様で高度な演奏技法を伴う音楽は、18世紀の音楽全体に対する先入観を覆すに余りある。同時代のローマの作曲家、ガスパリーニの鍵盤作品も収録。
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コジマ録音
発売・販売元 提供資料(2024/08/15)
<懸田貴嗣 (バロック・チェロ)>
上智大学文学部卒業。東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程古楽専攻修了後、ミラノ市立音楽院で学ぶ。2004年イタリア・ボンポルティ国際古楽コンクールで、アンサンブル・リクレアツィオン・ダルカディアのメンバーとして第1位と聴衆賞、ORF録音賞を受賞。国内では、バッハ・コレギウム・ジャパン、レ・ボレアードなど国内の主要な古楽オーケストラ、音楽祭のコンサート、レコーディングに参加。アンサンブル・リクレアツィオン・ダルカディア、ラ・ヴェネシアーナ、イル・コンプレッソ・バロッコのメンバーとして、ヨーロッパ諸国やトルコ、メキシコなどの世界各地の音楽祭に招かれている。これまで通奏低音奏者として、エマ・カークビー、ミカラ・ペトリ、ロベルタ・マメリ、エンリコ・オノフリ、エンリコ・ガッティ、グナール・レツボール、ガエタノ・ナジッロ、波多野睦美など著名なソリストと共演している。特に17〜18世紀イタリアのチェロ作品に関する実践と研究を深めており、数々の知られざる作品を国内で紹介する活動は大きく評価されている。2007年度文化庁在外派遣研修員。CD「ランゼッティ/チェロ・ソナタ集」(ALCD-1131)は音楽誌等で話題となり、2012年度第67回文化庁芸術祭優秀賞を受賞。2017年度は北海道教育大学岩見沢校音楽文化専攻特任准教授を務めた。横浜シンフォニエッタ・シーズンメンバーはじめ、モダン楽器の分野でも活躍している。アンサンブル・パルテノぺ主宰。クァルテット・オチェーアノとしても「ギロヴェッツ/弦楽四重奏曲作品42」(OMF)をリリースしている。国際古楽コンクール山梨、下田国際音楽コンクール審査員を歴任。
<渡邊孝 (チェンバロ)>
東京音楽大学ピアノ専攻卒業。在学中にチェンバロを始め渡邊順生氏に師事。桐朋学園大学研究科(チェンバロ専攻)修了後、2002年より拠点をヨーロッパに移し、アムステルダム音楽院にてボブ・ファン・アスペレン氏に師事。その後ミラノ市立音楽院にてロレンツォ・ギエルミ氏にオルガンを師事し2010年にディプロマを取得。アンサンブル·コルディア(S.ヴェッジェッティ)、アンサンブル・ゼフィロ(A.ベルナルディーニ)、イマジナリウム·アンサンブル(E.オノフリ)などとヨーロッパ各地で演奏し、ソリスト、通奏低音奏者として録音·演奏活動を行っている。2004年に結成した「アンサンブル·リクレアツィオン·ダルカディア」は同年ボンポルティ国際古楽コンクール(イタリア)で第1位を得た。ソロCD録音のJ.S.バッハ『ゴルトベルク変奏曲』と『スヴェーリンク鍵盤作品集』(レコード·アカデミー賞音楽史部門にノミネート)はいずれもレコード芸術特選に選ばれるなど各方面から高い評価を得た。平成20年度文化庁新進芸術家海外研修員。2011年のボンポルティ国際古楽コンクールにおいて審査員を務めた。毎年夏に行われるブルーニコ(イタリア)の古楽講習会にてチェンバロのマスタークラスを受け持つ。現在スイス、ベルン芸術大学でチェンバロ、通奏低音、歴史的演奏法を教えている。現在イタリア、パヴィア在住。
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コジマ録音
発売・販売元 提供資料(2024/08/15)
バロック時代の知られざるチェロ作品と当時のチェロ奏法の研究・実践に力を注ぐ懸田貴嗣が、盟友、渡邊孝とともに、文化庁芸術祭優秀賞作『ランゼッティ/チェロ・ソナタ集』(ALCD-1131)に続くCDとして、18世紀ローマで活躍したチェリスト、作曲家コスタンツィのチェロ作品集を発表。ボッケリーニの師と目されるコスタンツィの革新的な技巧が盛り込まれた驚くべき作品を、目の覚めるような演奏で披露。CDジャケットに使用されたカラヴァッジョの絵画の革新性を想起させるチェロ作品の数々を、これまた驚くべき先進性を持つガスパリーニのチェンバロ独奏曲とともにお楽しみあれ。
intoxicate (C)須田純一
タワーレコード(vol.172(2024年10月10日発行号)掲載)