伝説的なバンド、ロウでの活動で知られるアラン・スパーホーク。悲しみから生まれながらも、魂(スピリット)を自由にすることを目的としたソロ・デビュー作『ホワイト・ローズ、マイ・ゴッド』、サブ・ポップよりリリース。 (C)RS
JMD(2024/07/31)
伝説的なバンド、ロウでの活動で知られるアラン・スパーホーク。悲しみから生まれながらも、魂(スピリット)を自由にすることを目的としたソロ・デビュー作『ホワイト・ローズ、マイ・ゴッド』、サブ・ポップよりリリース。
Sub PopからAlan Sparhawkのソロ・デビュー作『White Roses, My God』がリリースされる。彼は伝説的なバンド、Lowでの30年間の活動で最もよく知られているが、その同じ期間にSparhawkが行ってきた数々のサイド・プロジェクトを見てみると、パンクやファンク、プロダクション・ワークや即興まで、あらゆる実験をしていたことがわかる。Low自体、決して決まったサウンドやアプローチに固執することはなかった。Lowは常に、Sparhawkと、彼の妻であり、バンドの共同創設者であり、ドラマーであり、共同リード・ヴォーカリストであり、かけがえのない「心」であったMimi Parkerとのコラボレーションであり、会話であり、ロマンスであった。Parkerは癌との長い闘病生活の末、2022年に他界した。『White Roses, My God』が悲しみから生まれたレコードであることは間違いない。しかし、深遠な歌詞と推進力のあるビートに支えられた大胆な実験が施されたこの張りのある、輝かしく、挑発的で、スリリングなアルバムの唯一の源泉や最終的な限界を「悲しみ」と見るのは、還元的であり、愚かでさえある。『White Roses, My God』がは、魂(スピリット)を追放するのではなく、自由にすることを目的とした悪魔祓いである。ミネソタ州ダルースの20 Below Studiosでレコーディングされた『White Roses, My God』は、Alan SparhawkとNat Harvieが共同プロデュースとエンジニアを務め、Harvieがミックス、Heba Kadryがマスタリングを担当した。
発売・販売元 提供資料(2024/07/29)
公私にわたるパートナーのミミ・パーカーを亡くしたアラン・スパーホークがその悲しみのなかから作り出したソロ・アルバム。シンセ・オリエンテッドなサウンドは、ミミとやっていたロウのスロウコア・サウンドを知っている者には驚愕の一言。NYパンク界隈の異色デュオだったスーサイドを連想させながら、トランシーなものからポップなものまで曲の振り幅はなかなか広い。
bounce (C)山口智男
タワーレコード(vol.490(2024年9月25日発行号)掲載)