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都市の緑は誰のものか 人文学から再開発を問う

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フォーマット 書籍
発売日 2024年09月10日
国内/輸入 国内
出版社ヘウレーカ
構成数 1
パッケージ仕様 -
SKU 9784909753199
ページ数 300
判型 46

構成数 : 1枚

まえがき

I 神宮外苑再開発を問う

第1章 場所の記憶から照射するジェントリフィケーション(北條勝貴)

はじめに──文化財というアクターとの共生
1〈場所〉の記憶の可能性──なぜ文化財が大切なのか
2 明治神宮外苑地域の来歴──公共性の起源としての境界性
(1)外苑地域の地形と境界性(江戸〜明治期)
(2)外苑地域における災害と公共性(大正〜昭和期)
3 木を伐る心性の歪み──後ろめたさの喪失の行方
(1)木を伐るメンタリティの変質
(2)街路樹イチョウの意義
おわりに──樹木の記憶

第2章 人と深い関わりがある自然の保全の理念はどうあるべきか――自然の関係的価値の視点からの神宮「外苑」問題 (鬼頭秀一)

はじめに
環境倫理1・0の考えは、人と深い関わりがある自然の保全の理念になりえない
環境倫理2・0における「関係的価値」の重要性
「関係的価値」に基づく人と深い関わりがある自然の保全の理念
人と深い関わりがある自然に対して、どこまでの「介入」が許されるのか
「伐採反対」の論理だけでは対抗できない―「共有価値」の構築へ
関係的価値における「自然」の位置―「造り込む」ことから「半栽培」的対応へ
関係的価値の「主体」の問題―近代的所有権の見直しとコモンの再生
まとめ

第3章 都市における自然の価――「機能的価値」と「関係的価値」の視点から(吉永明弘)

はじめに
機能的価値と関係的価値
場所と風土の観点からの環境整備の規範
生物多様性保全を「関係的価値」から捉え返す


II 持続可能な都市をめざして

第4章 都市の生きた遺産としてのグリーンインフラ(太田和彦)

1 都市のレジリエンスを高めるグリーンインフラ
グリーンインフラとは/レジリエンスとは
2 グリーンインフラの特徴
特徴1:緑地がお互いにつながっていて、複数の目的を果たす/特徴3:その地域の状況の理解から始まる/グリーンインフラの文化的・社会的価値
3 インフラ、ヘリテージ、レガシー
文化についての「生態系サービス」/「遺産」としてのグリーンインフラ/「遺産」と呼ばれることで、緑地や樹々の何が浮き彫りになるのか/ 都市のグリーンインフラを「遺産」としても可視化する

第5章 ヨーロッパの持続可能な都市の輪郭――気候変動への対応、スクラップ&ビルドしない再開発(穂鷹知美)

1 気候変動時代の都市
都市の重要課題となった気候変動への適応/スポンジシティ
2 スクラップ・アンド・ビルドしない再開発
スクラップ・アンド・ビルド型の開発の問題点/ラーガープラッツの再開発/テンポラリーユースがもつ可能性/ステークホルダーの自主性と協働/再開発における時間という要素
3 高まる緑の重要性と都市の選択
都市を形づくる緑/ブリコラージュとしての建築/人々の声を吸い上げるしくみ・反映させる手法/未来までの留保という選択肢

第6章 すべての生き物のためにデザインされた共存共栄都市へ――マルチスピーシーズ都市とはなにか(ルプレヒト・クリストフ)

1 都市における人と自然
都市自然に気づいた生態学者/ 空き地で遊ぶ子どもたち/人間以外の様々な都市住民
2 生き物のつながりから世界をみる
人文・社会科学に革命を起こす先住民の叡智/相互依存から持続可能性を考え直す/地球を壊さない都市がありえるか?
3 生き物のつながりから都市を考える
ミツバチにとって世界一安全な都市と生き物のためのインフラ/多様な生き物のブッフェとなるエディブル・ランドスケープ
4 生き物とのつながりを楽しむ未来の都市
縮小都市が栄える時代/極端な気候と多肉植物の教え/物語から生まれる想像力と未来の都市

第7章 将来世代にどのような都市を残すか――杜の都・仙台の実践(吉永明弘)

はじめに―未来に向けた問い
ポイントは樹冠被覆率を上げること
仙台市建設局百年の杜推進部公園管理課へのヒアリング
石出慎一郎氏のレクチャー
専門家による管理と市民参加

III 美学と詩学から人と自然との関わりを考える

第8章 生活の時間と公園の時間(青田麻未)

都市における自然がもつ美的意義
変わりゆく都市の変わらないもの
美学の視点から見る都市の再開発と公園
「親しみ」と「新奇さ」
都市の時間
余暇の時間
自然の時間
自然が有する時間を感じる経験
自然と一体化している自分自身を感じる経験
おわりに――「再開発」ということば

第9章 場所や自然とどのような関係をもつべきか――生態地...

  1. 1.[書籍]

都市のあちらこちらで再開発の計画が持ち上がり、少なからず反対の声があがっている。社会科学や自然科学の研究者は問題点を指摘するなど活発に発言しているが、人文学の研究者からの発言はあまり表に出ていない。都市は人間が生活する場であり、そこには暮らしの歴史や物語がある。そう考えると、歴史学や倫理学、美学など人文学の研究者も何か語ることができるのではないか。そのような思いから、2023年6月に、神宮外苑再開発問題をめぐるオンラインセミナーが開かれた。

本書ではそのときの登壇者にあらたな執筆者をくわえ、10章構成で、それぞれの専門分野から、都市の自然と人間との関わりについて論じた。関係的価値、グリーンインフラ、将来世代への責任などのキーワードを軸に、具体的な事例を参照しながら幅広いテーマを扱っている。都市に生きる私たちにとって、持続可能な都市とは何かを考える一助となるだろう。

【内容】 場所の記憶から照射するジェントリフィケーション(北條勝貴)/人と深い関わりがある自然の保全の理念はどうあるべきか(鬼頭秀一)/都市における自然の価値(吉永明弘)/都市の生きた遺産としてのグリーンインフラ(太田和彦)/ヨーロッパの持続可能な都市の輪郭(穂鷹知美)/すべての生き物のためにデザインされた共存共栄都市へ(ルプレヒト・クリストフ)/将来世代にどのような都市を残すか(吉永明弘)/生活の時間と公園の時間(青田麻未)/場所や自然とどのような関係をもつべきか(高橋綾子)/より多くの人が都市を故郷と呼ぶ時代に向けて(太田和彦)

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