ジャーマン・ロック・シーン、ひいては同時代のあらゆる音楽の中でも随一の異端な音を生み出した名バンド:FAUST。同じ名前を冠した様々な派生バンドが生まれてゆく中、オリジナル・メンバーのWerner "Zappi" Diermaierによるプロジェクト:MONOBEAT ORIGINALを実質的な前身として、2021年にオリジナル・メンバーのWernerとGunther Wusthofがタッグを組み立ち上げられた新たな「faust」による'24年新作アルバムがドイツ:Bureau Bからリリース。22年に米Eroto Tox Decodingsレーベルからリリースされた彼らの第一弾作『DAUMENBRUCH』と同様の手法により制作。ソロアーティストとしてシンセ・ポップ~エレクトロニカ方面で活躍中のSchneider TMことDirk Dresselhausの自宅スタジオにて行われたWerner(drs)・Dirk(b)・Elke Drapatz(effect)の3名による即興セッションをベースに、ABWARTSなどでも活躍してきたUwe Bastiansenらサポート・メンバーによる上物のオーバーダブを施して完成された、まさしくFAUSTがFAUSTたる実験精神/民主主義/偶発性が重じられたノンジャンルなサウンドスケープを収録。70年代の作品でも見せてきた鋭利でラディカルな暴虐性を、連綿と連なるプリミティブな"クラウト・ロック的"反復ビート/フレーズ、そしてパーカッション/エレクトロニクス/エフェクトが織りなすインダストリアルで立体的な音響空間で包み込んだ音像からは、50年以上にもわたる歳月による成熟とFAUSTらしい知性を感じさせる。
発売・販売元 提供資料(2024/09/02)