レイヴ、2ステップ、フューチャー・ガラージ、トリップホップ、ドラムンベース...UKエレクトロニック・ミュージックの痕跡から導き出された未来
ヒップホップから様々なダンスミュージックに至るまで多様な影響を受けた音楽を生み出すロンドン在住のプロデューサー、ロス・フロム・フレンズによるフライング・ロータス主宰レーベル〈Brainfeeder〉からのセカンド・アルバムとなる本作『Tread』。足跡や轍を意味するシンプルなタイトルの通り、自身がたどってきた様々な跡やUKの音楽が辿ってきた跡を刻み込んだ内容となっている。収録曲のBPMレンジはこれまでよりもぐっと上がっており、90年代のレイヴカルチャーを起点とする、UKのダンス・ミュージックの系譜が随所に感じられる。これらの跡は聴く者をノスタルジーへと誘う道ではけっしてない。むしろ、みずみずしささえ漂うサウンドは、過去の痕跡がいかに今を、未来をつくりだしていくかを実演しているかのよう。本作はまぎれもなく2021年のサウンドであり、メランコリーにとりつかれたノスタルジーに引導を渡すような傑作が完成した。
発売・販売元 提供資料(2024/07/02)
エモいストーリー性も備えた初作『Family Portrait』で台頭したロンドン在住のクリエイターが、そのままブレインフィーダーで2 作目を完成。寸止めの意匠でグイグイ引っ張るテック・ハウス"Love Divide"や緻密な2ステップ風味の"The Daisy"まで、往年のテクノ/ハウスを基盤にしながら〈懐かしくて新しい〉の一歩先へと前進した、人懐っこくもストイックなダンス・トラックの数々が楽しめる。流石の良品!
bounce (C)轟ひろみ
タワーレコード(vol.455(2021年10月25日発行号)掲載)