神業ベースの甘い旋律とメロウな歌声。
愛の迷い猫が贈るセンチメンタル・スペース・ジャーニー
超絶技巧のベーシストから正真正銘の世界的アーティストとしての評価を確固たるものとした2017年リリースの大傑作『Drunk』から3年、サンダーキャットがフライング・ロータスとの共同プロデュースで完成させた本作『It Is What It Is』には、チャイルディッシュ・ガンビーノ、スティーヴ・レイシー、スティーヴ・アーリントン (スレイヴ)、カマシ・ワシントン、リル・B、タイ・ダラー・サイン、バッドバッドノットグッド、ルイス・コール、ザック・フォックスら超豪華アーティストが勢揃い!
期待通りの高速ベースプレイや彼らしいユーモアも交えつつ、ジャズ/ヒップホップ/ファンク/AOR/LAビートを軽快かつチャーミングに横断していく表現力は圧巻の一言。メロウな歌心もまた本作のハイライトであり、喪失感と向き合いながら、音楽を生み出すことで癒していく、シンガーソングライターとして更なる飛躍を遂げたサンダーキャットの姿がここにある。
国内盤CDには、ボーナストラックが追加収録され、歌詞対訳と解説が封入される。
発売・販売元 提供資料(2024/07/02)
強烈なジャケットに豪華客演陣、もちろん内容の凄まじいド変態っぷりで一大出世作となった『Drunk』より3年ぶり、スリムになった体躯とは裏腹にうねりまくったベースラインと持ち味の透き通るファルセットを引っ提げ、自身とフライング・ロータスの共同プロデュースで通算4作目が完成。ハイムの3姉妹が友情出演したMVも最高の仕上がりだった先行カット"Dragonball Durag"、スティーヴ・レイシーと元スレイヴのスティーヴ・アーリントン、チャイルディッシュ・ガンビーノまで招いた"Black Qualls"などのリード曲を軸にし、ベーシストとしての才覚を発露させたスキットを随所に潜ませながらさらりと聴かせてしまう手腕は生来のバランス感覚によるものだろう。会心の一枚だ。
bounce (C)藤堂てるいえ
タワーレコード(vol.437(2020年3月25日発行号)掲載)