幼なじみでマルチ・インストゥルメンタリストのAxel ConcatoとBarth Corbeletによる新プロジェクト、ボルベックがデビュー・アルバム『Victime De L'aube』を発表。
スピリチュアルなジャズやフォークから、クラシックやエレクトロニック・サウンドまで、彼らの幅広い音楽的嗜好が融合し、ピエロ・ピッチオーニやミシェル・ルグランのベスト盤と並べても違和感のない想像上のサウンドトラックを創り上げた。十数種類の楽器を自分たちで演奏しているが、リズムセクションを支えるのは現代UKジャズ・シーンで活動してきたノスタルジア77のベーシストRiaan voslooとドラマーTim Giles。録音を手がけたのはノスタルジア 77ことベン・ラムディン本人だ。"夜明けの犠牲者"と訳されるアルバム・タイトルは、夜明けによって呼び起こされる痛切な感情の探求を表しているという。夜と夢が終わり、朝陽がベッドルームのカーテンを照らすときの、感動的な感覚。神秘的で背筋がゾクゾクするシンセ・モチーフを持つオープニング曲「Rue Nue」を聴くと、このようなことが念頭に置かれて制作されたことがよく判る。
全編にわたり、さまざまな楽器編成がムードや場所を想起させる詩的な音楽作品へと変化していることが窺える。美しく静かな「Jaki」と、エンディングの「Nuitee」では、マル・ウォルドロンの"Warm Canto"や細野晴臣の『万引き家族』のサウンドトラックの面影が感じられるが、上述したノスタルジア77のリズムセクションと、ルーアン・オペラ・ハウスの管楽器セクションが加わり、さらなる深みと質感を加えている。
傑出しているのはユセフ・ラティーフを彷彿とさせるモード・ジャズの旅へとリスナーをいざなう「A L'instar Du Flair」、ピッチオーニとアルデマーロ・ロメロが出会ったような「Vengeance Tropicale」、美しいボッサ・ジャズ「Feuille D'orage」、ウォーキング・ベースとサスペンスフルな雰囲気で聴く者を魅了する「Victime De L'aube」といったところか。
エレクトロニカ、フォーク、クラシックなどのレンズを通して、ディープなジャズと難解なサウンドトラックのアートを折衷的にミックスした今作は、さまざまなリスナーを魅了する傑作中の傑作だ。
Drums: Tim Giles (3, 5, 6, 7, 9)
Double Bass: Riaan vosloo (3, 5, 6, 7, 9)
Piano: Ross Stanley (3, 6, 8, 9, 10)
Flutes: Gareth Lockrane (4, 7, 9)
All recorded by Ben Lamdin at the fishmarket, London
French Horn: P Goll (4, 7)
Oboe: Jerome Laborde (2, 4)
Banjo: Sylvain Choignier (2)
Trumpet: Vincent Defosses (5)
Other instruments performed by Bolbec at Rue Pigeon, Rouen
発売・販売元 提供資料(2024/07/23)