3年振りの新作は世界を旅する渡り鳥からインスピレーションを受けた作品。笙やサックス、個性的なボーカルが混ざり合った穏やかなアンビエント
使われていない保育所を自身の音楽スタジオ"Kebi Bird Studio"として改装し、代名詞ともなっているヴィブラフォンの音を巧みに再 構築しながら2021年のアルバム「Bird Ambience」で初めて取り入れたマリンバとシンセサイザーを使った音楽的実験を続けている。 今作には、ゲストアーティストとして参加しているMoor Motherのポエトリー・リーディング(Our Mother's Lights)やHatis Noitの ボーカル(Higurashi)、そして雅楽で使用される笙とサックスが新たに加わる。2021年にスウェーデンのストックホルムでの滞在制作 の際にスウェーデン人の作曲家であり笙奏者のマティアス・ホールステンと出会い、彼が来日した際に藤田のスタジオを訪ね、"Yodaka" を含む3曲で笙を披露している。そして生涯音楽家である父親はサックスを持参し、二人でスタジオで時間を過ごしながら録音をし、3曲 の素晴らしい作品が生まれた。「こういったアイデアやイメージは、自分自身の海外での生活や故郷に戻る経験が元になっているのと同 時に、アルバムに参加してくれたアーティストたちも国境を越えて旅をしたり異国に住んだりしながらもどこか自分たちのルーツに導かれ る、というようなことが合わさってインスピレーションになっています。」藤田正嘉
発売・販売元 提供資料(2024/06/25)
ポスト・クラシカルを代表するヴィブラフォン奏者の5作目。ベルリンから日本の田舎への移住が制作モードを変えたようで、壮麗な旋律や打ち込みを使うことなく、少ない音数でカームな世界を作り出している。止まっているように見えつつ、そのなかで無限の微細な動きが起きているという、自然の如き音楽。ムーア・マザー、ハチスノイトの声はさしずめ命の鼓動だ。
bounce (C)田中亮太
タワーレコード(vol.489(2024年8月25日発行号)掲載)