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「帝国」と「祖国」のはざま 台湾映画人たちの交渉と越境

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フォーマット 書籍
発売日 2010年08月26日
国内/輸入 国内
出版社岩波書店
構成数 1
パッケージ仕様 -
SKU 9784000240284
ページ数 360
判型 A5

構成数 : 1枚

序章
第一節 本書の課題
第二節 研究視角
1.台湾史研究をめぐる固有の文脈
「交渉」と「越境」
2.映画史研究における「中心‐周辺」
日本映画史研究における「帝国史」の視角
3.方法的概念としての映画
映画が可視化する問題
映画統制の分析枠組
第三節 本書の構成
本書の射程
各章の構成と資料

第一章 台湾――植民地統治下の台湾映画人
第一節 はじめに
植民地期台湾映画史研究における先行研究
植民地台湾における「合法性」
第二節 映画の分節的普及と統制
1.市場の形成(~一九二〇年代半ば)
総督府と民間日本人との互助的な映画活動
都市部に映画常設館が定着
警察や教育者を通じた積極的映画統制
植民地本国と同時代的に推移した消極的映画統制
映画市場形成期の社会的背景
2.市場の拡大と多様化(一九二〇年代半ば~一九三〇年代半ば)
中国映画の輸入
消極的映画統制――総督府による一元的フィルム検閲開始
映画市場の拡大
積極的映画統制――新たな展開の模索
3.市場の一元化(一九三〇年代半ば~一九四五年)
消極的映画統制――越境性に対する警戒
台湾人による劇場経営および弁士の増加
積極的映画統制――情報統制機関の設置,台湾語をめぐる対応
第三節 映画受容の特徴
1.植民地期台湾におけるナショナリズムと映画受容
民族資本映画への支持と外来映画の排斥
日本人側の公定ナショナリズムによる動向
中国映画の人気に対する警戒
台湾人側のナショナリズムによる動向
プロパガンダを楽しむ大衆?
日本映画の排斥が表面化しない状況
2.台湾語の解説による「臨場的土着化」
3.映画製作不振との関係
「臨場的土着化」による代替的消費
第四節 「交渉」の諸相
1.植民地下の台湾人による映画製作
「交渉」によるダブルバインド――『望春風』の事例
2.台湾人による非営利の映画上映活動
文協の映画上映活動
美台団による映画上映活動
美台団の挫折
合法的な「交渉」の限界
第五節 小括

第二章 上海へ――暗殺された映画人 劉吶鴎
第一節 はじめに
先行研究および問題点
第二節 日中戦争前の中国における映画の普及と統制
1.近代都市「上海」の多様な性格
2.映画市場の拡大(~一九二〇年代)
3.南京政府による映画統制と映画界の政治化(一九二八年~一九三七年)
積極的映画統制と中電の成立
第三節 「帝国」からの離脱
1.「植民地に生まれた人間の不幸
2.「国旗を胸の底に持っていない」人間の居場所
第四節 上海での映画活動
1.文学から映画へ
出版事業の挫折
2.左翼からの批判と国民党への接近
「硬軟映画論争」
大手映画会社での映画製作
3.映画理論と映画製作とのズレ
魯迅との確執
『永遠的微笑』の評価
抗日統一戦線のなかでの孤立
第五節 南京の国民党映画スタジオ
第六節 「孤島」上海における映画統制
1.戦時下の上海映画界と国民党の映画統制
消極的映画統制――検閲体制の混乱
積極的映画統制――一元的な映画統制機関の設置案
2.「対日協力」
日本軍の映画統制に対する協力
「中華電影」の成立後
3.暗殺の背景
第七節 小括

第三章 重慶へ――忘却された映画人 何非光
第一節 はじめに
第二節 植民地主義への抵抗
1.台中:一九一三~一九二七年
2.東京:一九二七~一九二八年
3.台中:一九二八~一九三一年
第三節 上海における「他者」
1.植民地出身者という「他者」
2.俳優として映画界へ
3.「他者」としての「悪役」
第四節 日中戦争期中国の映画統制
1.戦時ニュース映画の製作
2.中製の成立
3.配給・上映ネットワークの確保
4.香港映画界への委託製作
第五節 重慶での映画活動
1.東京での演劇活動を経て重慶へ
2.監督何非光をめぐるポリティクス
「文人」と「芸人」との境界
陽翰笙との確執
「留日派」
国民党に入党
香港での映画製作
「中央訓練団」への参加
3.「他者にも顔がある」という語り
第六節 小括

終章


あとがき
参考文献・索引

  1. 1.[書籍]

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著者: 三澤真美恵

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