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| フォーマット | 書籍 |
| 発売日 | 2024年07月10日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| 出版社 | 南江堂 |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| SKU | 9784524210879 |
| ページ数 | 254 |
| 判型 | B5 |
構成数 : 1枚
【書評】
現代の児童生徒等の運動器にかかわる問題では,スマートフォンなどの使用による運動機会の減少から生じる運動機能不全と,特定のスポーツに没頭することによる過用から生じる運動器の傷害との「運動の二極化」が生じている.したがって,運動器の健康状態を把握し,運動器疾患・障害の予防に努めることが重要となっている.
学校における児童生徒等の健康診断は,1958(昭和33)年に学校保健法として導入され,脊柱側弯症などの早期発見に重要な役割をはたしてきた.2014(平成26)年には学校保健安全法施行規則の一部が改正され,2016年より運動器検診が義務化された.現在,全国の学校で運動器検診が実施されているが,内科医や小児科医が大半を占める学校医においては,運動器の専門的な知識が十分でないこともある.また,学校現場は運動器疾患・障害の予防のための啓発教育や指導を望んでいる実態があるが,この点への関与が十分でないこともあり,さまざまな課題が生じている.
これらの解決策の一つとして,学校医,整形外科医,リハビリテーション科医との緊密な連携のもとに実施される運動器の健康増進と疾患・障害予防活動について,現在全国11地域で「認定スクールトレーナー制度」というモデル事業が開始されている.認定スクールトレーナーは,地域の大学や基幹病院,地方自治体,運動器の健康・日本協会と緊密な連携体制のもとに活動することが企画されている.認定スクールトレーナーの具体的な活動として,1運動指導とプログラムの提供,2けがの予防と応急処置,3健康教育とメンタルサポートが学校現場から求められている.
理学療法士は,運動器における専門的な知識と技術を有する職種として,これら児童生徒等の運動器にかかわる問題に対処することが期待されている.しかし,理学療法士が認定スクールトレーナーとして学校現場で活動するには,依然いくつかの課題がある.まず,学校という環境において,医師や行政,学校教員との連携が必要である.また,多様な生徒のサポートを行うための知識・技術の獲得も必須である.さらに,医療介護施設などの通常理学療法士が勤務している場所以外での活動に対して,その役割や責任,報酬など明確でない部分への慎重な対応が必要となる.
本書は,理学療法士がスクールトレーナーとして学校現場で適切に活動するために,「I章.学校保健と学校健診の現状と課題」,「II章.児童生徒等の運動器の健康課題」,「III章.学校健診における運動器検診の現状と課題」,「IV章.児童生徒等によく見られる主な運動器疾患・障害の診断・治療と予防のポイント」,「V章.理学療法士による学校での児童生徒等への運動器疾患・障害の予防教育の実践」といった章立てで構成されており,さらには現在11地域で実施されているモデル事業の取り組みも紹介され,理解すべき内容が網羅されている.
理学療法士が認定スクールトレーナーとして関与することは,児童生徒等の外傷・障害予防,リハビリテーション支援,運動機能向上,精神的サポートにおいて大きな意義をもち,教員や保護者に向けた教育を通じて学校全体の健康環境を向上させることも期待されている.本書が認定スクールトレーナーをめざす理学療法士,さらには学校医療にかかわる医療関係者・教員の人材育成に活用してい....
運動器の健康・日本協会による新たな認定資格「スクールトレーナー」(ScT)制度のもと,理学療法士が学校保健の一翼を担って運動器の健康増進と疾患・障害の予防活動に携わるための手引書.医師,教職員,保護者や部活動指導者等と連携して教育・啓発・実技指導に取り組むノウハウを解説する.学校という場や子どもに特徴的な健康課題への対応例を解説し,先行するモデル事例を豊富に紹介.教育現場の実情や制度面なども理解して,ScTとして活動するために必要な実践知が詰まった一冊.

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