ジャジービート集で、大人はもっと泣くべきだ!
神戸発HipHopユニット、MiLESBROS。12年ぶりの最新作は、Alter-Egoとタッグを組んだ『aio』/同郷のShin-Skiにサウンドを託した「Home」の2枚組でのリリース。ただのジャジーに留まらず、グッドヴァイブスをふんだんに盛り込んだ愛情溢れる大作!特にaioサイドの(11)~「Home」サイドの(2)まで続くメロディアスなビートは聴くだけで心のデトックスだ。
タワーレコード(2024/08/02)
日常の風景を砕いてリリカルに再構築する神戸発HipHopユニット、MiLESBROS。待望の最新作は両A面の2枚組でのリリース。
全23曲、聴き終わった瞬間からキミの眼に入る全てがアートになる。
MiLESBROSはMCのcleafrookieとDJ 3422からなる双子のHipHopユニット。長くSMLE BLOSSOMとして活動し、今作『aio / Home』は前作『BLUE TRAIN』から12年ぶり、グループ名を改めてからは初めてのアルバムとなる。もちろんその間も『ゆれた』『Life is Beautifull』といったヴァイナルでのリリースや客演、数々のライブにて精力的に活躍を続けていたのだが。
今作『aio / Home』のSide『aio』は、実は早くにほぼ形を成していたが諸事情でリリースできないままになっていた。さらにコロナ禍の影響も否応なしに受けることとなる。その期間中も『aio』のコンセプトをさらに濃縮し『Home』という作品を生み出すと同時に、『aio』もラップを全て録り直すことでアップデート、この数年の溜まり溜まったものを世に出すべく2枚組でのリリースとなった。
SMLE BLOSSOM時代から続くAlter-Egoとタッグを組んだSide『aio』、ワールドワイドに名を知られながら同じ兵庫県出身のShin-Skiにサウンドを託したSide『Home』、いずれも目の前にある日常をリリカルに表現するcleafrookieのラップとの相性は抜群。そして、いわゆる"ストリート"な要素を微塵も含ませずに高い"HipHop強度"がそこにあることも見逃せない。HipHopファンはもちろん、老若男女、親にも子にも、ハーコーにもナードにも全方位で聴いてみることをオススメできるアルバムだ。 (1/2)
発売・販売元 提供資料(2024/05/21)
Side『aio』
かつてのグループ名であるSMLE BLOSSOMに別れを告げ、MiLESBROSとしての決意表明となる「破壊ジャズ」を皮切りに、行きつけのCDショップの店員との粋なやりとりを語る「黄色いB-BOY」やファッションへのこだわりを綴る「You know my steez?」と言った前半の楽曲群では、一辺倒ではない彼ららしいHipHopを堪能できる。故FUJII FLUSHも交えた「What's good feat. Nemui,Wozmy,FULTRASTER,FUJII FLUSH」ではマイクリレーの楽しさも味わえる。彼らの嗜好、生い立ち、仲間といった身の回りにある大切なものを自分[I]の眼[Eye]を通じて哀[ai]も愛[ai]に変えて表現する本サイドは12曲目のタイトル曲「aio」の美しさによって心が浄化されクライマックスを迎える。13曲目「Good vibes」を聴き終わったとき、誰もが胸に温かいものを感じるはず。長年の盟友であるAlter-Egoが作るソリッドなトラックは、DJ 3422のディレクションも冴え、彼らの目線の確かさに色を添える。
Side『Home』
コロナ禍のステイホームの期間を通じ、より身近にあるもの、つまり"Home"にあるものをフィルターに『aio』からさらに身近なものへの「愛」をコンセプトに作り上げた。本サイドのサウンドを担当したのは世界に名を馳せるトラックメーカーであるShin-Ski。彼の人肌の温もりある音に、同じく温かみのあるcleafrookieのラップは正しくベストマッチと言える。喧騒が消えた街の景色とそれでも美しく咲く桜との対比が切ない「Hello,sakura」から始まる物語はタイトル曲「Home」へと続く。手が届く範囲にある眼に入るものを優しく落ち着いた口調で羅列しながら、望んだわけではないStay Homeもいつか良い思い出になるようにとポジティブに変換していく。アルバムを開いて亡き母への想いを馳せたり、かつてのデモテープを聴いてみたり…。外に出れないこと、仲間に会えないこと、積もり積もったフラストレーションはそれらから解放されたときを想像し「I feel」「Blue」、そしてラストの「Let's get it on」までの美しくリリカルなライムに昇華する。 (2/2)
発売・販売元 提供資料(2024/05/21)
前作『BLUE TRAIN』から約12年ぶりとなる今作は、2タイトル2枚組で構成されている。『aio』は全曲Alter-Egoがトラックを手掛け、半径5メートルの愛をコンセプトに作った1枚。全14曲。タイトル曲の最後に「歳とるたび感じる、人間ってええなって」と締め括るように、歳を重ねることで芽生えた感覚が、人間味のある作品に仕上げている。一方、『Home』は全曲Shin-Skiがトラックを手掛け、Stay homeをコンセプトにコロナ禍に作り上げた1枚。「いつか今日の日を思い出す」なんでもない家の中の景色を切り取った 「Home」含む全10曲。両タイトル共に、12年の時を戦い続けてきた双子のBROTHERの味わい深い作品となっている。 (C)RS
JMD(2024/05/18)
双子の兄弟である神戸のMCとDJが約12年ぶりに発表する新作は、2枚のアルバムをセットにした全22曲を収録。Alter-EgoとShin-Skiがそれぞれの盤のビートを担い、ごく身近な風景を切り取っていくラップに寄り添う。ジャジーなサウンドを軸としたビートで平穏な世界を曲にしていくなか、亡き飲んだくれの継父との荒んだ家庭を思い起こす"哀(ai)"が異彩を放つ。
bounce (C)一ノ木裕之
タワーレコード(vol.488(2024年7月25日発行号)掲載)