2004年の『Sung Tongs』が発売20周年を記念してカラーヴァイナルで再発!!
USインディーの最重要バンド、アニマル・コレクティヴが、2004年にリリースした5枚目のスタジオ・アルバム『Sung Tongs』の発売20周年を記念して、リリース以来初となるカラーヴァイナルで再発。
20周年を迎えるアルバム『Sung Tongs』は、アニマル・コレクティヴが『Feels』(2005年)、『Strawberry Jam』(2007年)、『Merriweather Post Pavilion』(2009年)と、世界を変えたアルバムをリリースした5年間の多作期の幕開けとなった1枚である。
『Sung Tongs』のリリース当時、ローリング・ストーン誌はこの作品を「今年聴くことができる、より創造的で完成度の高いレコードのひとつ」と評し、「彼らの曲は、ソウルフルでエキセントリックな雰囲気を漂わせながら聴く者を魅了する」と付け加えた。
とてつもなくスリリングかつ、あり得ないほど目まぐるしく情熱に溢れた本作は、ヴォーカリストのエイヴィ・テアとパンダ・ベアによる心揺さぶるハーモニーが、崇高なまでに奇妙で、紛れもなく美しいものへと合体している。
「おそらくこの10年のどのレコードよりも、(『Sung Tongs』は)インディの心、耳、そして精神が今後5年間でどこへ向かうかを予見していた。- ピッチフォーク
発売・販売元 提供資料(2024/08/29)
On Sung Tongs, their first record distributed by FatCat, the two-man Animal Collective come on like sun-scorched acid eaters gathered around the campfire, strumming and grinning while they weave their material out of cyclical singalongs and tight harmonies. Surprisingly, both for fans as well as new additions, that marks a much more accessible sound for a group that had previously probed the outer limits of prog and psychedelia. (Still, back to basics is the right place for a collective that released three albums in 2003.) Immediately called to mind here are the Holy Modal Rounders and, to a lesser extent, the Incredible String Band. While Animal Collective certainly don't share the intimate knowledge of folk music or the expert musicianship of the Holy Modals or the ISB, they do understand the importance of repetition in reaching altered states, and they indulge in many naturalistic post-production enhancements to get there. "Leaf House" and "Who Could Win a Rabbit" open the record with a cozy atmosphere created from soaring harmonies and Beach Boys-type bungalow percussion. From there, with only a few exceptions, Sung Tongs devolves into the loosest of jam sessions, a midsummer night's dream of pixilated picking in similar company with the lengthy mid-album interlude ("Green Typewriters") during the Olivia Tremor Control's Dusk at Cubist Castle. Although the duo didn't record nearly enough material to justify checking out quite so soon, Sung Tongs is a striking record, a breath of fresh air within experimentalist indie rock. ~ John Bush
Rovi
支えようにも重心のない音楽、というか、収縮せずに音の葉を外へ外へと繁らせていくような、柔らかい生命力に満ちた音楽。ディーケン、エイヴィー・テア、ジオロジスト、パンダ・ベアの4人編成によるアニマル・コレクティヴ。ブルックリンをベースに活動し、アート・リンゼイとも交流を持つ彼らが紡ぎ出すその歌は、音符ひとつひとつがスピーカーの前で煌めきながら踊っている。2本のアコースティック・ギターとパーカッション、そして歌声のハーモニーが織りなすトライバルな交歓。それはアモン・デュールやカンといったクラウト・ロックの司祭たちの秘儀を思い出させつつも、随所に散りばめられた繊細なエレクトロニカの感触はムームやフォー・テットといったレーベルメイトたちのそれ。さらにはブラック・ダイスやライトニング・ボルトなんかとも共通するエクストリームな奔流も伝わってきて、本作『Sung Tongs』はまるで音楽が渦巻く大きな森のよう。そして、アルバムを聴き進めることはその森を抜ける旅であり、さまざまなサウンドのテキスタイルが未知の風景をコラージュしていく。なかでもカン“Paperhouse”を連想させるオープニング・ナンバー“Leaf House”から“Who Could Win A Rabbit”へと繋がる、のっぴきならない祝祭感。その美しく歪んだメロディーが次第に頭の中を掻き乱していく爽快さは、呆れるほどの素晴らしさだ。曲が進むごとに音のDNAは開放されて、やがて窓辺から一斉に飛び立っていく。そんな魔術のような一枚。
bounce (C)村尾 泰郎
タワーレコード(2004年05月号掲載 (P72))
最近、ミュージック・ビジネスとは繋がりの薄いインディー・バンドが熱い。自己の自由な意思によって音を創るバンド/アーティストが増えている、世界同時的に。プロヴィデンスでアート・コミューンを成し、生ドラムと爆音ノイズ・ベースでプリミティヴ・ノイズ・トランス・ビートを叩き、極楽カオスを創り出すライトニング・ボルト。それと音楽流行の最先端地であるNY、その中でもいま一番おもしろいブルックリンを拠点とし、人力トライバル・ドラムと初期メルツバウばりに繋がれた無数のコンパクト・エフェクターによる神々しいノイズで聴く者をブッ飛ばしてくれるブラック・ダイス。それらに並んでヤバイのが、このアニマル・コレクティヴ! 彼らのニュー・アルバム『Sung Tongs』は、太陽の光に満ち溢れた心地良い白昼夢ダンス・アルバムである。原始時代から遺伝子レヴェルで掻き鳴らされ、叩き鳴らされるトライバルかつトロピカルかつフォーキーなリズム/旋律を、ともすればただの実験的で無機質なサウンドになりがちなサンプリング/デジタル・ノイズ/プロトゥールスを使用することにより、希望を持って生きるための音楽として終始鳴らされた傑作である。初めて聴くのにどこか懐かしいガット・ギターのミニマルで優しい音色。演奏者の笑顔が見えてきそうな楽しげなハンドクラップ。大地の鼓動のようなパーカッション。太陽いっぱいのポップで煌めく唄。これこそ真の意味で、音そのものを楽しめる音楽だ。目を瞑って聴けば、そこがあなたの理想郷。音に身を委ね、さあ高らかに踊ろう!!
bounce (C)日笠山はっちゃく邦仁
タワーレコード(2004年05月号掲載 (P72))