チルウェイヴのパイオニア、アーネスト・グリーンによるプロジェクト、ウォッシュト・アウトの新作が完成。完全セルフ・プロデュースで、ネイサン・ボディ(ジェイムス・ブレイク、ムラ・マサ)とデヴィッド・レンチ(カリブー、フローレンス・アンド・ザ・マシーン)がミックスを手掛けた5枚目のアルバム『ノーツ・フロム・ア・クワイエット・ライフ』、リリース。 (C)RS
JMD(2024/05/16)
チルウェイヴのパイオニア、アーネスト・グリーンによるプロジェクト、ウォッシュト・アウトの新作が完成。完全セルフ・プロデュースで、ネイサン・ボディ(ジェイムス・ブレイク、ムラ・マサ)とデヴィッド・レンチ(カリブー、フローレンス・アンド・ザ・マシーン)がミックスを手掛けた5枚目のアルバム『ノーツ・フロム・ア・クワイエット・ライフ』、リリース。
Washed Outの音楽は、常に時代を超えたフロンティアの上を浮遊している。彼の没入感のある不定形のヴォーカル、広がりのあるサウンドスケープ、切ないストーリーテリングにそれを感じることができる。Ernest Greeneの超越的なアウトプットは、Pitchforkから「チルウェイヴのゴッドファーザー」と呼ばれ、『Portlandia』(アメリカのTVシリーズ)はユートピアのテーマソングとして、彼のトラック「Feel It All Around」を借用した。Washed Outの最新作『Notes From a Quiet Life』は、10年以上にわたって個性的でヴァラエティに富んだクリエイティヴな再創造を、驚くほど高いレベルで提供してきた後に発表された。このアルバムは直感的で大胆だ。Greeneは、ビジネスとしての音楽という踏み絵から離れ、代わりに芸術的な興味に道をゆだねている。ジョージア州出身の彼は、2021年にアトランタを離れ、幼少期から慣れ親しんだ田舎に戻った。かつては現実逃避に明け暮れていたが、現在は周囲の現実の不思議さに夢中だ。「5年、いや10年ごとに、文字通り細胞レベルで別人になると読んだことがある。あなたが経験していることは、結局あなたを変えることになる。このアルバムはそれを反映したものだ。絵画や彫刻の実験は、僕の音楽を助けてくれる。お互いに影響し合っている。それは僕にとってある種の気づきだった。いつか自分の人生を振り返って、『ああ、すべては生産性を最大化するためだったんだ』なんて思いたくない。これを楽しみたいんだ」とGreeneは説明する。その純粋なヴィジョンこそが、『Notes From a Quiet Life』を強力なものにしている。このアルバムは、Nathan Boddy(James Blake、Mura Masa)とDavid Wrench(Caribou、Florence + the Machine)によるミキシングの協力を得て、Greeneが完全にセルフ・プロデュースした初のアルバムである。
発売・販売元 提供資料(2024/05/13)
チルウェイヴのパイオニア、ウォッシュト・アウトにとって5枚目のアルバム。自身の特徴であるドリーミーな音像を深化させた作品で、従来の現実逃避的な音色よりも、"The Hardest Part"を筆頭としたアグレッシヴな曲調が目立っている。ヴォーカルはしっかりと歌い上げる歌唱が多く、リヴァーブのカーテンに隠れていたかつての姿は見られない。
bounce (C)近藤真弥
タワーレコード(vol.487(2024年6月25日発行号)掲載)