「クリスクロスからアルバムを始めてリリース出来ることを誇りに思います」とアントニオ・ファラオは語る。2023年7月にパリのムードン・スタジオで行われた際、ミラノを拠点に活動するピアニストで当時58歳だった彼は、レーベルの計らいもあって、ニューヨークを拠点に活動する二人の名手、ベーシストのジョン・パティトゥッチとドラマーのジェフ・バラードからなるトリオを結成することに成功した。そして、オリジナル8曲とスタンダード2曲、全10曲を吹き込むこととなった。リラックスしたムードの中で、抒情的で躍動感があり、美しく均整のとれた65分間となっている。この中で各メンバーは創造性の最高潮に達している。本作はファラオにとって6枚目のトリオ・アルバムとなります。ハービー・ハンコック、チック・コリア、マッコイ・タイナー、キース・ジャレット、ビル・エヴァンス、ケニー・カークランド、オスカー・ピーターソン、エロル・ガーナー、レニー・トリスターノら〈ポストバップ〉の影響を受けたジャズ・ピアノのヒーローたちのスタイルを踏襲しながらも、彼独自の感性に基づいた表現をも織り込むことを心がけ、挑戦的なリズムと高尚なハーモニーを優雅なメロディーに錬金術化している。ここでは、皮肉な方向転換や不必要な構造の複雑さを敢えて避け、瞬間瞬間の創造の姿勢とスイングへの激しい意志を維持するよう努めている。
発売・販売元 提供資料(2024/06/14)