緊迫感、没入感、そして究極の高揚感に満ちたジョン・ホプキンスによる最新アルバムが〈Domino〉よりリリース!
ジョン・ホプキンスのニュー・アルバム『RITUAL』は、深みとコントラストが特徴。儀式、精神的解放、英雄の旅路をインスピレーションに、古代の原始的なエネルギーを取り入れたこの作品は、洞窟のようなサブウーファー、催眠術のようなドラミング、そして超越的なメロディーで構成された41分間のエレクトロニック・シンフォニーである。緊迫感、没入感、そして究極の高揚感に満ちたこの作品は、彼の22年のキャリアを通して探求されたテーマの集大成であり、2021年の前作『Music For Psychedelic Therapy』と対をなす動的な作品となっている。
アルバムの発表に合わせて公開されたプレビュー音源「RITUAL (evocation)」は、深く催眠的なドラムと、啓示的な光を目指すかのような長いビルドアップで構成されている。不協和音の嵐を経て、荒々しいアルペジオのきらめきへと導かれ、最後には澄み切った高らかなヴォーカルが現れる。
『RITUAL』が完成したのは2023年後半だが、きっかけは2022年、ホプキンスがロンドンで開催されたストロボ効果で視覚刺激を引き起こす「ドリームマシーン (Dreamachine)」のプロジェクトのために作曲した音楽から生まれた。
『RITUAL』は、感情的にもサウンド的にも重厚でありながら、温かみのあるライブ感を纏っており、柔らかさと激しさの並置が全体の中核を成している。時間をかけて準備を整え、41分間途切れることなく『RITUAL』に浸ってほしい。
作曲している時は、自分が何をしているのかまったくわからない。どこから来て、どこへ行くのかもわからないし、それが重要なことだとも思えない。ただ、完成した瞬間がわかる。だから僕にできることは、最後まで感じ取り、何が起こっているのかを回顧的に分析し、その目的が何なのかを考えることだけだ。はっきりしているのは、この作品は儀式の構造を持っているということ。僕にとっては儀式だが、あなたにとっては違うものだろう。この儀式が実際に何であるかについて決めつけないことが重要だと感じている。
それは、自分の内なる世界の入り口を開き、隠され埋もれているものを解き放つための道具、もしかしたら機械のようにさえ感じられる。体の緊張によって固定されているもの。だからこの作品は一般的な「アルバム」の定義からは外れたものかもしれない。現在進行形のプロセス、もしくはあなたに語りかけるもの。同時に、ここには物語があるようにも感じられる。僕が経験しているプロセスの物語であり、我々みんなが経験していることなのかもしれない。創造、破壊、超越の物語でもあるのかもしれない。たぶん、それは典型的な英雄の旅の物語であり、忘却と記憶の旅なのだろう。
- Jon Hopkins
発売・販売元 提供資料(2024/05/01)
Ritual is a counterpart to Jon Hopkins Music for Psychedelic Therapy, an immersive downtempo ambient effort that inhabited an entirely different space than his acclaimed techno albums. Less new age-y and more beat-driven than its predecessor, Ritual is a patiently evolving suite that takes its time to gradually develop a slowly throbbing beat, blooming with radiant spiritual energy. Establishing the mood with a drone-like first part ("altar"), a flickering pulse emerges by the start of the second ("palace/illusion"), along with subtle vocal shades. More melodic textures grow, and it feels like were coming closer and closer to the light. Ceremonial percussion frames the rhythm, along with vibrating synth chords, and during the fifth part ("evocation"), an acceleration similar to an airplane taking off occurs. This happens again during the following part ("solar goddess return"), which is also accompanied by transcendent vocals. The final two parts are a process of stripping away, with "nothing is lost" focusing on a lovely piano coda before dissolving into nothingness. Hopkins talent for building a sonic environment is in full display on Ritual -- his sound design is as intricate and immaculately crafted as ever. Its still hard to listen to his more ambient material without comparing it to the sweeping rush of his dance music, which arrives at some truly staggering highs. Still, Ritual is an engaging experience that succeeds at transporting the listener and replenishing the soul. ~ Paul Simpson
Rovi
〈幻覚セラピーのための実用音楽〉と題された前作の反動か、彼のキャリアを通じて最も動的なエナジーに溢れた作品。轟く低音、打ち鳴らされるドラミング、そして重厚感のあるメロディーで構成された全8章41分間の〈儀式〉。新しくもあり、原始的でもあり、美しくも猛々しい。ジャンルの定義を遥かに超越したサウンドは聴く者を崇高な体験へといざなう。
bounce (C)野村有正
タワーレコード(vol.489(2024年8月25日発行号)掲載)