シティポップ・ブームは新たなフェーズに入った!2023年に発売され"究極のシティポップ定番コンピレーションアルバム"として好セールスを記録、現在もロングセラーを続ける『CITY POP STORY ~Urban & Ocean』に続く第二弾。前回同様、書籍『「シティポップの基本」がこの100枚でわかる!』『「90年代J-POPの基本」がこの100枚でわかる!』(以上星海社新書)の著者・栗本斉(くりもとひとし)が企画・選曲・解説を担当。渋谷系やガールポップなど当時のムーヴメントと隣接した90年代ならではのスタイリッシュなシティポップに特化した選曲。女性ヴォーカルを集めた<Girls Side>と男性ヴォーカルを集めた<Boys Side>の2枚組仕様。 (C)RS
JMD(2024/05/28)
シティポップ決定版コンピ待望の90年代編、アナログ先行発売!
シティポップ・ブームは新たなフェーズに入った!
2023年に発売され"究極のシティポップ定番コンピレーションアルバム"として好セールスを記録、現在もロングセラーを続ける『CITY POP STORY ~Urban & Ocean』に続く第二弾。前回同様、書籍『「シティポップの基本」がこの100枚でわかる!』『「90年代J-POPの基本」がこの100枚でわかる!』(以上星海社新書)の著者・栗本斉(くりもとひとし)が企画・選曲・解説を担当。渋谷系やガールポップなど当時のムーヴメントと隣接した90年代ならではのスタイリッシュなシティポップに特化した選曲。
女性ヴォーカルを集めた「Girls Side」と男性ヴォーカルを集めた「Boys Side」の2枚組仕様。ジャケットには、『「90年代J-POPの基本」がこの100枚でわかる!』表紙イラストを手がけたgata氏の描きおろし作品を起用。
発売・販売元 提供資料(2024/05/24)
ヒット書籍『「90年代J-POPの基本」がこの100枚でわかる!』の著者、栗本斉が企画、選曲、解説を担当した同作。特設サイト等で〈シティポップ・ブームは新たなフェーズに入った!〉と謳っているように、他とは一線を画す90年代のナンバーに限定したセレクトが成されている。ディスク1には近年再評価著しい谷村有美の名盤『PRISM』から《6月の雨》をはじめとする女性ヴォーカル曲、ディスク2には兄弟時代のキリンジによる不朽の名曲《双子座グラフィティ》など男性ヴォーカル曲の数々が収録。あの頃を知る人ですら初遭遇かもしれない絶妙な選曲は栗本氏ならでは。山口美央子が楽曲提供した佐藤聖子《BABY CRY》との出会いに感謝でした!
intoxicate (C)井原邦雄
タワーレコード(vol.171(2024年8月20日発行号)掲載)
先行の『CITY POP STORY』に比べると本作のセレクションはとても魅力的で、同類の編集盤と重なる楽曲はあるものの、ディケイドの記念碑としてライブラリーに加えたいアイテムだと思っている。
ところで、“CITY POP”について、個人的には70年代の”ニュー・ミュージック”の進化系と捉えている。60年代以降の洋楽をベースとする、歌謡曲とは一線を画した広義の”和製ポップス”という認識だ。中でも“CITY POP”は、”都市あるいは街角で聴いていて心地よい音楽”として成立する、と思っている。そこでは日常の生活感は薄められ、あるいは消し去られ、クールでブライトな理想の世界が描かれる(ことが多い)。時には都市生活者の非日常にフォーカスした、極上のリゾート・ミュージックなども共存する。80年代の豊かで開放感に溢れていた時代のカラフルで華やかな音楽だ。
本作は、そんな80年代に確立した“CITY POP”の空気感を持つ90年代の楽曲集なのだが、決して懐古的なオマージュではない。どれも楽曲としての完成度は高く、音楽として成熟している。特別フレッシュで刺激的というわけではないが、"CITY POP"の新しい波としては、いい意味で、”穏やか”だ。