タイで収集した7インチの音源から構築された唯一無二のビート・アルバム!
日本をはじめ、世界各国ありとあらゆる音楽をディグし続けるフランス人ビートメイカーONRA。永井博氏の手によるジャケット・デザインでも話題になった「NOBODY HAS TO KNOW」から6年(個人的には未だにヘビロテ)、今作は数年間のタイ在住時期に収集したタイ語の7インチレコードから様々ジャンルの音源をサンプリングし制作されたビート・アルバム。Onra独特の世界観を持ちながらも美しくもどこか懐かしく切ない音でノスタルジックな情景を描かせてくれる心地よい一枚。今作も間違いなし!
タワーレコード(2024/06/28)
約6年振りとなるビートメイカーOnraによる最新アルバム『Nosthaigia』がリリース決定!
タイでの数年の滞在を経て収集した様々ジャンルの音源を使用した翠玉のビート集!
※本タイトルは「CD」となります。
「Nosthaigia」の起源は、その音楽と同様に魅力的である。Onraはタイで数年を過ごし、活気ある文化に浸り、珍しい音源を求めて地元のレコード店をくまなく探し回った。その結果、さまざまなジャンルのタイの曲が7インチのレコードから集められたコレクションが生まれた。これらの短い楽曲は、聴衆を郷愁と切望に満ちた過去の時代へと運び、タイムカプセルとしての役割を果たしている。
2017年にMPC1000で制作され、2020年に再考された「Nosthaigia」は、偶然と芸術的進化の力を示している。馴染みのない音楽の領域をカジュアルに探索したことが、Onraにとって深く個人的で意義深いプロジェクトへと発展したのである。不幸な出来事の連続の中で、彼は以前に制作したビートによって慰めとインスピレーションを見出した。
「Nosthaigia」の各トラックは彼の旅の反映であり、切望と内省の音響表現である。Onraは、アルバムを制作する過程を解放的なリリースと表現し、古い記憶を手放し、現在を受け入れる手段として述べている。
悲しい音調が漂うにもかかわらず、「Nosthaigia」には無視できない静かな美がある。Onraのヴィンテージの制作スキルは、それぞれのトラックに生命を吹き込み、暖かみと奥行きを与えている。「Until The End」の幽玄なメロディから「Close Your Eyes And Remember」の催眠的なリズムまで、すべての瞬間が重要であるように感じられる。
アルバムから「すべてのバンガーを取り除く」という決定は、Onraの芸術的誠実さと真正さへの献身を物語っている。「Nosthaigia」は派手なビートやキャッチーなフックについてではなく、生の感情と真の表現についてである。それは音楽が癒し、持ち上げ、自分自身よりも大きな何かに私たちを結びつける力を持っていることを想起させる。
最終的に、「Nosthaigia」は単なるアルバムにすぎず、人間の経験の証である。しかしそれは、暗い瞬間にさえ、聴く意志があれば、美を見出すことができることを思い起こさせるものである。
発売・販売元 提供資料(2024/05/20)
単独名義で約6年ぶりとなるアルバムはタイ滞在時に収集した音源を使用した珠玉のビート集。異国の活気ある文化に浸り、地元のレコード店を探し回って発見したネタの数々を下敷きにオーソドックスな手法で紡ぎ上げた楽曲群には、派手なビートやキャッチーなフックはないが、醸し出されたオリエンタルな雰囲気のなかに幽玄さや美しさが確かに存在する。
bounce (C)野村有正
タワーレコード(vol.487(2024年6月25日発行号)掲載)