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古代中国の"死者性"の転倒 ――戦国秦漢期における死生観の変遷

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フォーマット 書籍
発売日 2023年04月11日
国内/輸入 国内
出版社汲古書院
構成数 1
パッケージ仕様 -
SKU 9784762967412
ページ数 904
判型 B5

構成数 : 1枚

はじめに


プロローグ
第一節 本書の対象と目的
(1)古代的死者性と中世的死者性
(2)「死者性」という概念
1死生観の一般構造
2宗教的死生観と「死者性」
3「死者性」の基本的なあり方

第二節 古代中国に他界観はなかったか――銭穆の場合
(1)問題設定ならびに西洋文明に対する視点――[二元対立的]比較文化論
(2)魂と魄
(3)「心」としての永生と祭祀
(4)中国宗教のダイナミズム
(5)本音はどうなのか?

第三節 本書の構成と方法論


第一章 殷周時代の祖先崇拝と葬送儀礼のメカニズム
第一節 天命と祖先祭祀
(1)天上他界
(2)宗族と孝
1姓と氏
2大宗と小宗
3同宗と認識される親族範囲「五服」
4長子相続と族長の地位(「適」「後」「重」)
5同居・同財
6宗廟と祭祀祖先の世代数
7微氏家族銅器群に見る宗族

第二節 『儀礼』士喪・既夕・士虞の葬礼儀礼
(1)『儀礼』というテキスト
(2)喪服の原則
(3)儀礼が行われる場
(4)『儀礼』の葬送儀礼(1)――死から葬まで(士喪篇)
(5)『儀礼』の葬送儀礼(2)――啓殯から反哭まで(既夕篇)
(6)『儀礼』の葬送儀礼(3)――虞祭およびそれ以降(士虞篇)
(7)『儀礼』葬送儀礼の特徴

第三節 『儀礼』特性饋食の祖先祭祀
(1)特性饋食の参加人物
(2)特性饋食の儀礼シナリオ
(3)解 釈

第四節 小 結


第二章 戦国時代の死生観の変化――先行研究を踏まえつつ
第一節 魂と魄――余英時
(1)長生と不死、昇仙
(2)漢代における霊魂観と死後世界の変化
(3)『太平経』の死後世界
(4)二元的霊魂観が表していたものは何か

第二節 戦国時代の社会変動――杜正勝
(1)生命観と寿命観の変遷
(2)司命神の信仰
(3)徳と威儀
(4)長生の追求
(5)戦国時代における祖先祭祀の変化――戦国楚の卜筮祭禱簡
(6)穢れた死者の登場――睡虎地十一号秦墓『日書』

第三節 『儀礼』少牢饋食の祖先祭祀
(1)末永高康の『儀礼』研究
(2)少牢饋食礼前半――正祭
(3)少牢饋食礼後半――儐尸礼
(4)考察1――親族関係と君臣関係
(5)考察2――『儀礼』郷飲酒礼との比較

第四節 墓室構造の変化と墓祭――蒲募州・黄暁芬・巫鴻
(1)椁墓から室墓へ
(2)霊坐
(3)墳丘と墓祭
(4)墓室構造の変化から読み取れる死後世界観と霊魂観の変化

第五節 死後の永生――マイケル・ローウィ、小南一郎、伊東清司
(1)馬王堆一号墓の帛画
(2)規矩鏡
(3)西王母

第六節 死生観の類型論――康韻梅
(1)生と死を連続とする考え
(2)長生不死という神話
(3)死んでも滅びないという信仰
(4)生を以て死を制御する理性主義
(5)漢代の薄葬論


第三章 紀元前3世紀の死者が蘇る話
第一節 甘粛省天水放馬灘一号墓『丹』
(1)放馬灘一号墓
(2)放馬灘『丹』の研究状況
(3)釈文
(4)注釈

第二節 北京大学蔵秦簡『泰原有死者』
(1)北京大学蔵秦簡の概要
(2)『泰原有死者』釈文
(3)注釈

第三節 宗教職能者による喪葬改革運動
(1)「司命」神
(2)喪葬改革(「移風易俗」)

  1. 1.[書籍]

【本書より】(抜粋)
本書は古代中国の死生観ならびに死者観の変遷を追った書であり、分析の主対象になるのは戦国秦漢
時代のいわゆる出土資料になる。
……構成であるが、死生観にかかわる材料(資料)ごとに、大雑把に時代的に配列することにした。
戦国秦漢時代の死生観研究で使われる材料は、伝世文献を除くなら、戦国時代の『日書』(特に死者が
蘇る話)、前漢時代の告地文、後漢時代の香港中文大学蔵「序寧簡」、買地券、鎮墓文(鎮墓瓶)、画像
(戦国末?前漢時代の帛画・壁画、後漢時代の画像石・壁画)、後漢時代の墓碑である。この順番で構
成する。

作品の情報

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著者: 池澤優

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